進化するO2O、ユナイテッドアローズの挑戦《O2Oビジネス最前線・黎明期を迎えた新・消費革命》

ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小


「在庫確認だけの目的でサイトにアクセスするお客様も中にはいるのでは、と考えた。いわば商品カタログのような目的でネット通販サイトを利用する。リアル店舗とネット通販のどちらで買うかは、お客様が決めること。リアル店舗で買うための情報も、できるだけネット通販にも載せようと初めから考えていた。今後は、ネット通販で買った商品をリアル店舗で受け取れる方策も検討している」と相川氏。

ユナイテッドアローズの会員カードの加入者は160万人超、1カ月当たりで60万人強の利用がある。

買い上げ金額に応じて付与されるポイントは、リアル店舗とネット通販共に使える。ポイント共通化も、ネット通販の開始時からだ。リアル店舗で購入する顧客はネット通販でも購入すると想定していたので、店舗のポイントはネット通販でも利用できるようにした、という。

「自社ネット通販サイトの売り上げは、店舗での購入者(会員カード加入者)が過半数以上を占める。店舗が近くにないためにネット通販を利用しているという人はほとんどいない。たとえば店舗がない青森では、ネット通販の売り上げも非常に少ない。多くの店舗がある首都圏のお客様が、ネット通販でも買っている」と、相川氏は自社ネット通販利用者の特徴を述べる。

ネット通販での購入金額が多い顧客は、リアル店舗にも頻繁に来店する傾向がある。いわばファンに近い顧客といえるだろう。ネット通販とリアル店舗の融合による相乗効果で顧客の満足度を上げている。

優良顧客の集まる場であるネット通販サイトを、リアルの現場でさらに活用する。通販サイト上で、リアル店舗より約2カ月早めに商品を販売する「先行受注会」という施策だ。

相川氏は狙いを話す。「先行受注会はシーズンで推したい商品を主に販売する。お客様にとっては、店舗よりも早く、確実に買えるメリットがある。われわれにとっても早めに需要予測ができる利点は大きい。受注数が多ければ、リアル店舗へ送る数量を予定よりも多くするなど、調整できる」。

ユナイテッドアローズのネット通販事業は、自社ネット通販だけではなく、ファッション通販モール「ZOZOTOWN」(運営スタートトゥデイ)や、ファッション雑誌連動型ネット通販モール「マガシーク」への出店など多くの販路を持つ。

関連記事
トピックボードAD
ビジネスの人気記事