「30万円値引きならこの車を買う→10万円引きでも満足してお買い上げ」のなぜ?――「相手の本音」を知り仕事に生かす"5つのステップ"

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一例として、あなたが会議で新しい企画を提案すると、いつも反対する人物がいるとしよう。そこで、①〜③のステップを踏まえたうえで、「あの人は企画の内容に反対しているのではなく、新しいことにチャレンジすることを怖がっているのではないか」といった仮説を立ててみる。

この際、仮説が「当たっているか、間違っているか」は、さほど重要ではない。大切なのは「ひとまず仮説を立てる」という姿勢だ。

一度仮説を立てることで、やみくもに情報収集を行うよりも、スピーディーに、そしてより精度の高い「答え」を導き出すことができる。

最後が⑤「仮説検証」だ。④で立てた仮説を検証するために、再び情報収集や問いかけを行い、仮説の精度を高めていく。

仮説検証の際、特に重要になるのは「相手にどんな問いをぶつけるか」だ。今回の例で言えば、いきなり「●●さんはチャレンジするのが怖いのですか?」とストレートに質問をぶつけたところで、本音を聞ける可能性は低いだろう。

それより「この案って、失敗したらこんなリスクがありますよね?」といった、同意を求めるような聞き方をしたほうが、相手の本音を引き出せる可能性は高い。

「仮説の有無」で結果は変わる

この5つの中でも特に重要なのが、「仮説形成・仮説検証」のステップだ。一朝一夕に身につけられるスキルではないが、ここを意識するのとしないのとでは、最終的な仕事でのアウトプットに決定的な差が生じることは間違いない。

「仮説ありき」で相手と対峙する人は、相手の発言や行動の背後にある「主観」にまずフォーカスする。そして自分の仮説とズレる部分があれば、逐一修正を加え、それに合わせて相手への提案の仕方や質問も変えていく。

すると相手は、「この人は、自分の価値観を理解しようとしている」と感じ、こちらの説明や交渉にも積極的に耳を傾けてくれるようになる。

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