郵政3社株、今から買っても儲かるのか? かんぽ生命はストップ高の3430円に

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やはり一番の理由は配当利回りだ。3社とも予想配当利回りが高く(日本郵政とゆうちょ銀行は年3%台、かんぽ生命が約2.5%)、個人投資家が東京電力などにかわる資産株として積極的に購入したと見られる。また、過去に初値が売り出し価格を下回った政府放出株はJT1社のみ。その同社も今年上場来高値をつけており、「政府放出株は鉄板」という神話も手伝ったに違いない。

ただ4日は、こうした配当利回りなどの株価指標面からだけでは、説明がつかないような値動きになったのも事実だ。それが前出のかんぽ生命。3社の中では配当利回りが最も低く、PBR(株価純資産倍率)は「割高」(かんぽ生命は0.6倍台、日本郵政とゆうちょ銀行は0.4倍台)のはずの同社がストップ高になったのは、株式の需給面に理由がありそうだ。

今回の売り出し株式数は日本郵政が4.95億株、ゆうちょ銀行が4.12億株に対して、かんぽ生命はケタが一つ違う6600万株(国内外合計)。これが「当初から、かんぽ生命の品薄感を誘ったのではないか」(あるカリスマ投資家)との見方が有力だ。

急騰しても、なお割安なのか?

急騰によって、3社の中で最も値動きが良かったかんぽ生命の4日終値3430円は、企業が解散したときの価値をあらわす「PBR1倍」を上回った。これは、同業の第一生命(同0.7倍台)に比べればかなり高い。

政府放出株はやはり「鉄板」だった(撮影:尾形文繁)

「4日の段階で3430円という価格がまだ割安か、と言われればノー」(同)との声もあるとおり、かんぽ生命も含め、3社の株価が5日以降も一本調子で上がっていくという保証はない。5日以降は利益確定のためにかんぽ生命が売られて値下がり、逆に相対的に割安感がある日本郵政やゆうちょ銀行が買われる局面もあるかもしれない。

市場関係者の間では、「もし株価が下落しても、安くなったところで拾いたいという個人投資家が多い。(株価を重視する安倍政権がこの時期に送り込んだ)『国策銘柄』でもあり、少なくとも3社とも年内は、株価は底堅く推移しそう」(大谷正之・証券ジャパン調査情報部長)との声が大勢を占める。

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