郵政3社株、今から買っても儲かるのか? かんぽ生命はストップ高の3430円に

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郵政3社株は12月末に向けてTOPIX(東証株価指数)に組み入れられるため、TOPIX連動型のファンドによる買いが期待できるほか、年度末に向けて配当狙いの買いも期待できる。とすれば、もう一段の上昇の可能性もありそうだ。

2017年3月期以降の2期、日本郵政とゆうちょ銀行は配当性向(1株益に対する配当の割合)50%以上と年2回の配当、かんぽ生命も配当性向30~50%と年1回の配当を「約束」している。逆に言えば、それ以上は「約束」されているわけではなく、郵政3社が今後も安定した利益を上げ続けられるという保証はない。特に、グループの持ち株会社である日本郵政の今2016年3月期の業績は前期比約23%の経常減益の見通しだ。

同社は赤字の郵便・国内物流事業などを抱える日本郵便と、国際物流の豪トール社、さらにゆうちょ銀行とかんぽ生命などからなるが、利益の大半は今回上場を果たしたこの金融2社に依存する。にもかかわらず、今後2社に対する日本郵政の持ち株比率は、売却によって段階的に50%をメドに引き下げられる。当然ながら、これは日本郵政の減益要因となる。

「皆が幸せな状態」は、いつまでも続かない?

日本郵便は優良な不動産を多く抱えており、これからの収益化には期待がかかるものの、このままだと日本郵政の利益は先細りしかねない。4日の記者会見で、西室社長はグループでの国際物流事業の強化を明言したが、その具体的な手段などは明らかにされなかった。

当初の売り出し価格が低く設定されていたこともあり、まずは4日の郵政3社の上場はうまくいった。だが、政府による3社の追加売却はあと2~3回予定されている。

「いろいろ巷間言われているが、民営化で自由度が増す3社の株は、基本的には買いだと思う。ただ過去の政府株の放出でもわかるとおり、売り出しが発表されるときは(需給悪化懸念などから)株価が下がるケースが多い。少なくとも次の売り出しの前までには、いったん『利益確定』をしたほうがよい局面が訪れるはず」(前出のカリスマ投資家)。

今から郵政3社株の購入を検討しているなら、こうした声は参考になるかもしれない。

福井 純 「会社四季報オンライン」編集部長

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ふくい・じゅん / Jun Fukui

『会社四季報プロ500』編集長などを経て現職。『株式ウイークリー』編集長兼任。国際テクニカルアナリスト連盟認定テクニカルアナリスト(CFTe®)、日本テクニカルアナリスト協会理事

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