世界を知る教育のプロに聞く、不登校の子どもに「絶対にしてはいけないこと」「自己有用感向上のためにできること」

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子どものアタッチメント(愛着)形成が一つのカギになる(白井氏<右>の写真は撮影:初沢 亜利、窪田氏の写真は本人提供)
「近視になってもメガネをかければいい」と思っている人は少なくないが、実は近視は将来的に失明につながる眼疾患の発症リスクを高める、危険な疾患なのである。しかし、身近に眼疾患の経験者がいなければ、その実感が湧かない人がほとんどではないだろうか。
近視は病気です』の著者であり、近視の予防を呼びかける眼科医である窪田良氏の対談企画。お招きしたのは、子どもの不登校支援や多様な学びの提供に取り組む白井智子さん。これまで四半世紀にわたって注力してきたフリースクールなどの活動について語ってもらった。3回目となる今回は、不登校や子どものアタッチメント(愛着)形成に対する、日本と海外の違いについて掘り下げる。

「個々のいいところを伸ばす」オーストラリアの教育

窪田:白井さんの教育への使命感の根底には、ご自身がオーストラリアで子ども時代を過ごしたことが関係しているのでしょうか。

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白井:それは大きいと思います。私は4歳から8歳までをオーストラリアで過ごしましたが、日本に戻ってからは2国間の教育の違いをとても強く感じました。

オーストラリアではそれぞれの子どもの長所を伸ばそうとするのに対して、日本はみんなと同じように振る舞えなかったり、成績が悪かったりするだけですべてが否定されてしまうと感じました。

自分だけでなく、周囲にも苦しんでいる子どもが多いと感じていました。でもそれって、単にその学校やクラスが合わないだけなんですよね。

フリースクールの取り組みを始めた頃、私は「教育界のジャンヌ・ダルク」なんて言われて、何だかぶっ飛んだことをしているように扱われていました(笑)。でも、私はオーストラリアの学校でされてうれしかったこと――「個々のいいところを伸ばす」という方法を再現しているだけだったんです。

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