窪田:学校と家以外の居場所によって、子どもが立ち直れたケースがあれば教えてください。
白井:水泳選手の砂間敬太さんとは、先日の大阪・関西万博でも一緒に登壇したのですが、実は彼も不登校の経験者です。学校の代わりに毎日スイミングスクールに通っていたことが功を奏して、東京オリンピックの日本代表にまでなりました。いろいろな居場所と学びを持っておくことが、人生の彩りを増やしてくれるという好例です。
子どもの不登校を理由に親が仕事を辞めないほうがいい
窪田:素晴らしいですね。不登校の子どもに対して、周囲の大人がすべきことや避けたほうがいいことはありますか?
白井:子どもの一瞬一瞬の小さな成長を認めることがいかに大切か、日本の大人はもっと意識してもいいと思います。
逆に避けてほしいのは、子どもが不登校になったとき、それを理由にして親が仕事を辞めてしまうことです。家の中に親と1対1でこもっているのは子どもにとってもプレッシャーで、互いに息苦しいものです。家の外に安心できる場所を作ることが、不登校の子どもへの対処の第一歩です。こうした場所を探し、増やすことが大切です。
(構成:鈴木絢子)
著者フォローすると、白井 智子さん・窪田 良さんの最新記事をメールでお知らせします。
著者フォロー
フォローした著者の最新記事が公開されると、メールでお知らせします。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
著者をフォローすると、最新記事をメールでお知らせします。右上のボタンからフォローください。
しらい ともこ / Tomoko Shirai
1972年千葉県生まれ。4~8歳までオーストラリア・シドニーで過ごす。1995年東京大学法学部卒業。同年、松下政経塾に入塾し、教育改革をテーマに国内外の教育現場を調査。内閣府や文部科学省の委員などを歴任した後、現在は株式会社こども政策シンクタンクの代表取締役をはじめ、さまざまな団体の要職を務める。近著に『脱「学校」論:誰も取り残されない教育をつくる』(PLANETS/第二次惑星開発委員会)がある。
窪田 良
医師、医学博士、窪田製薬ホールディングスCEO
著者フォロー
フォローした著者の最新記事が公開されると、メールでお知らせします。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
著者をフォローすると、最新記事をメールでお知らせします。右上のボタンからフォローください。
くぼた りょう / Ryo Kubota
慶應義塾大学医学部卒業。慶應大医学部客員教授、米NASA HRP研究代表者、米シンクタンクNBR理事などを歴任。虎の門病院勤務を経て米ワシントン大学助教授。2002年創薬ベンチャー・アキュセラを創業。2016年窪田製薬ホールディングスを設立し、本社を日本に移転。アキュセラを完全子会社とし、東証マザーズに再上場。「エミクススタト塩酸塩」においてスターガルト病および糖尿病網膜症への適応を目指し、米FDAからの研究費を獲得し研究開発を進めているほか、在宅医療モニタリングデバイスや、ウェアラブル近視デバイスの研究開発を行っている。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら