「退職代行サービスを使いたくないな…」当初は抵抗あった40代女性が5万5000円を支払って辞めた事情

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その後も弁護士と会社の間で連絡を取れない状況は続いた。「退職できるかどうかわからない」という不安な気持ちを担当弁護士にLINEで相談すると「法的な手続きは満たしているので退職できます」と回答をもらった。

ひとまず胸をなでおろした田中さんは、退職が確定していない状況でも転職活動を開始。「知人の評判を参考にして次の会社を決めよう」と思い、数社の選考を進めた。そして、無事に採用が決まったという。

「面接では退職代行を使っていることも説明しました。わたしの置かれている状況を理解してくれたんですよね。現在もその会社で働き続けています」

「心配をかけたくなかった」と家族には相談なし

田中さんは知人にも退職することをオープンにしていたという。ただ、家族への相談はしなかったそうだ。

「心配をかけたくなかったんですよね。ただ、労基署や警察署で自分に起こったことを説明できましたし、他の人たちにも伝えられたので、ひとりで背負わずにすみました。誰かに話すことって大事なんでしょうね」

転職活動を終えた田中さんは、退職予定日を待つのみになった。ただ、実際に手続きが進んでいるのかはわからない。月末になり、自身の銀行口座を見たときにようやく「退職できた」と認識できた。

「最後の月の給与が振り込まれていなかったんです。未払いではあるんですが、それを見て退職できたんだなと安心しました。ただ、その後が大変でした。離職票も発行されませんでしたし、年金の手続きも自分で進めました。あとは社用のパソコンを送付したら受領拒否されたり……。最後までスムーズに進みませんでしたね」

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