「退職代行サービスを使いたくないな…」当初は抵抗あった40代女性が5万5000円を支払って辞めた事情

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しかし、体調は次第に悪化していく。ムカムカするような吐き気やゾクっとする寒気を感じるようになり、内科へ通院。ストレス性の症状と診断された。

ハキハキとインタビューに応じる田中さん(写真:筆者撮影)

ひとりでは抱え込めなかったときに退職代行に出会う

心身に負荷がのしかかっていた田中さんは退職するための方法を考える。これまでの職場とは異なり、退職を告げても受理してもらえるかはわからない。直接話をすることへの恐怖も大きかった。そんなときに見つけたのが退職代行のサービスだったという。

「『退職代行って聞いたことがあるな』と思って調べると、いろいろなサービスがあるとわかったんです。民間企業が運営するものは退職の意思を伝えるだけで交渉はできず、会社側が拒否すると対応できないケースもあるようです。社長は頭のいい方だったので、法律を熟知している弁護士事務所に依頼しようと思いました」

当時の退職代行の相場は約2万円だったが、田中さんは迷わずに最も高価な5万5000円のプランを選択する。プランの内容には退職交渉のほかに有給消化の交渉や退職後の相談も含まれていた。

「もし倍の金額だったとしても申し込んでいたと思います。当時、有給も残っていましたけど、退職することだけを目標にしました。色々なことを交渉してもらって恨みを買うのが怖かったんです」

しかし、退職の手続きはスムーズに進まなかった。まず、弁護士の名前入りの退職通知書を内容証明郵便で送付してもらったが、受け取りを拒否された。

「担当の弁護士から連絡をもらったときに重い気持ちになりました……。手続きを代行してもらっていたのでなんとか持ちこたえられました」

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