アニメと結末が違う?実写映画《秒速5センチメートル》ストーリー構成"改編"の吉凶。ロマンチックだけど「リアルで残酷な物語」を徹底レビュー

岩舟に向かう貴樹(C)2025「秒速5センチメートル」製作委員会
ようやく岩舟にたどり着いた貴樹が駅舎に入るシーンは、実写ならではの温かみにあふれていた。スマホも携帯もない時代に、19時の約束が列車の遅延で23時を過ぎてしまい、疲労と絶望で打ちひしがれながら駅舎の待合室の扉を開けると、下を向いて小さくなった明里がストーブの前のベンチに座っている。

原作アニメの名シーンも再現されている(C)2025「秒速5センチメートル」製作委員会
13年間の人生のなかで、貴樹にとって明里がどれほど大きな存在になっているかを示すように、その瞬間に貴樹の心に灯された明かりが映像全体に映っているような、心温まるシーンだった。
一方、岩舟駅での2人の別れのシーンは、実写版オリジナルのアレンジが加わっていた。画は同じだが、その演出は原作アニメにはない、ラストにつながるフックになっている。
原作アニメにはない実写版オリジナルのラスト

高畑充希が演じる明里(C)2025「秒速5センチメートル」製作委員会
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