「頼りになり尊敬できる上司」から態度が一変、「若い私に嫉妬している」。悪口を触れ回る"困った部下"にどう接したらいいか?【事例で紹介】

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境界性パーソナリティ障害が疑われる人への対処法としては、まずは直属の上司が取り込まれないようにすることが肝心です。特に、面倒見が良い林さんのようなタイプは要注意です。

エスカレートしていく要求には?

相談され、なんとか期待に応えてあげようと常識的な範囲を超えた配慮までしがちになりますが、いつの間にかそれが当たり前のこととなり、相手の要求はエスカレートしていきます。期待に応え続けることができなくなると、今度は逆に攻撃の対象とされてしまうことがあるのです。

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このようなタイプの人が悩みごとを相談してきたら、きちんと公私を分けて対応することが基本となります。

対応するのに割ける時間を伝えて、ズルズルと話を聞かないこと、できること・できないことを最初の時点で明確に伝えることが重要です。関係者みんなで、本人の特性を共有したうえで、このような枠組みを崩さないようにする必要もあります。

1人だけで対応するのはできるだけ避けて、相談ごとについても複数人で確認するようにしましょう。そのような意味で、林さんがOさんと情報共有できていたことは良かったと思います。

自死をほのめかすような発言については、“周りに注目してもらうための脅し”と早々に結論づけてしまうことは、避けなければいけません。

特に自傷行為などに及んでいる場合は要注意で、部署だけで解決しようとせず、必ず職場の健康管理室や産業医と情報を共有するべきでしょう。

現在、Mさんは心身に不調をきたしたという理由で会社を休みがちになっており、退職を考えているということでした。今となっては、彼女が転職を繰り返した理由もわかるような気がすると、林さんとOさんは話していました。

舟木 彩乃 心理学者、公認心理師、精神保健福祉士、官公庁カウンセラー

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ふなき あやの / Ayano Funaki

心理学者(筑波大学大学院博士課程修了/ヒューマン・ケア科学博士)。公認心理師、精神保健福祉士。官公庁カウンセラー。株式会社メンタルシンクタンク(筑波大学発ベンチャー)副社長。博士論文の研究テーマは「国会議員秘書のストレスに関する研究」(筑波大学大学院専攻長賞受賞)。カウンセラーとして約1万人の相談に対応し、中央官庁や地方自治体の メンタルヘルス対策に携わる。Yahoo! ニュース エキスパート オーサーとして「職場の心理学」をテーマにした記事・コメントを発信中。
 

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