「言い訳体質の部下」に言ってはいけない上司のひと言 間違った意見の傾聴が部下の自己正当化を助長する
言い訳体質の人の特徴は、うまくいかないのは自分以外の人や環境に問題があると主張することです。先輩の○○さんが協力してくれない、隣の部の○○さんからOKが出ない、オンラインでは本音がわからない、コロナ禍で顧客が会ってくれない、人が不足しているので対応できない……。
Bさんも、共有化が進んでいない理由を、「みんな」という他者のせいにする典型的な言い訳体質の人です。
しかし、このような不毛の会話を引き起こしている原因は、実は上司のAさんにあります。AさんがBさんの話を聞くときに、「なぜ?」を連発しているからです。
問題解決の王道は、「なぜ?」を繰り返しながら本質を突き止め、そのうえで対策を考えることだと言われています。部下の話を傾聴するときも、「なぜ?」で相手の考えを掘り下げるとよいとも言われます。
しかし、こと言い訳体質の人にはこの方法は効果がありません。自分には責任がないという結論ありきで会話をするため、「なぜ?」と聞かれると、待っていましたとばかりに自分以外に問題の原因を向けるからです。これでは、「なぜ?」を何回繰り返しても問題は解決しません。
「では、どうするの?」と部下の行動を問う
言い訳体質の人には、「では、どうするの?」と行動を問う必要があります。
部下B「いえ、進んでいるとはいえません。みんなやらないんです」
課長A「では、その状況を踏まえてBさんはどうしますか?」
問題解決に必要なのは、事実を正しく踏まえたうえで次の一手を打つことです。みんながやらないという事実を踏まえ、共有化推進担当者のBさんが、次にどのような行動をとるのかを本人に問いかけるのです。その際に、話の焦点は「みんな」ではなく「あなた」だとはっきりと伝えます。


















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