クラフトチョコの旗手、日本上陸計画の内幕 チョコ界のサードウェーブがやって来る!

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ファクトリーカフェで”テンパリング”を行うスタッフ。カカオ豆だけを練り込み、ケインシュガーだけで味を付ける。純粋なBean to Barが今、ベイエリアで人気を博している

クラフトマンシップに基づき、純粋に品質を高めることを追求することを価値として、食材、飲み物の品質や味を追求するクラフトムーブメントは、サンフランシスコにおけるサードウェーブコーヒーの勃興にもつながった。中でもブルーボトルコーヒーの成功は記憶に新しい。

昨年、ブルーボトルコーヒーが清澄白河にコーヒー豆の焙煎工場を併設したカフェを開店すると、瞬く間に”サードウェーブコーヒー”のブーム日本でも拡がった。サードウェーブコーヒーとは、いわゆる”クラフトコーヒー”である。”コーヒー業界のアップル”とも呼ばれ、大きな人通りもなかった清澄白河にブルーボトルコーヒーを飲むための行列が生まれ、さらには近隣に多様なカフェが開店するようになった。

ブルーボトルコーヒーの日本進出以前、日本でも静かに進んでいたコーヒーブームが、この進出で一気に火がつき、今や全国展開を目指す勢いとなっている。しかし、ビールやコーヒーは、グローバルに進行しているクラフトムーブメントのごく一部を投影しているに過ぎない。その中でも大きな動きになりつつあるのが”Bean to Bar”と呼ばれているチョコレートだ。

北米を発火点として欧州、あるいはオーストラリアなどにも飛び火し、さまざまなショップ、ブランドが生まれている。 Bean to Barの”Bean”とはカカオ豆のことだ。すなわち、Bean to Barとはカカオ豆が本来持っている美味しさ・風味を、ストレートにチョコレートバーに封じ込めることで、チョコレートの美味しさを追求しようというムーブメントだ。

少量生産でこだわりのチョコを提供

同社がサンフランシスコにオープンした1号店は工場を兼ねる。近日にグルメ系の店が集まることで知られるフェリービルディングにも出店

さて、そんな北米を発信源としたBean to Barムーブメントの中で、とりわけ大きな注目を集めているのが「DANDELION CHOCOLATE(以下、ダンデライオン)」という、サンフランシスコにあるチョコレートブランド。中でもシリコンバレーはもっとも活発なBean to barの活動が見られる地域だ。

たとえば”TCHO(チョー)”というブランドは、一定以上の品質を持つカカオ豆の風味を活かしたチョコレートを、いかに効率良く量産するかを追求している。Bean to Barの精神と量産性のバランス型とも言えるだろう。

一方、その対極にあるのがダンデライオンだ。”Small Batch(少量生産)”での生産を標榜し、カカオ豆の味と風味を可能な限り活かすピュアな製法・アプローチから来る優れた味わいと香りを引き出していることを強みとしている。

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