「坊主丸儲け」のことわざは大きな事実誤認…非課税でも実は意外とシビアな【お寺の懐具合】を探る

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ここまでの流れで見てきた"お寺の必要経費"を積み上げていくと、やはり年間で数百万円程度にはなっていく。

貧しくもなければ豊かでもないといった水準

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年商として1000万円程度あるお寺(檀家250軒と想定)からそれを差し引いた額を考えてみると、厚労省の賃金構造基本統計調査が示す「宗教家」の平均年収、すなわち僧侶個人が1年間のうちに自分の生活費などとして使える額は約514万円であるというのは、かなりリアルな数字に見えてくる。

現代の日本の僧侶の多くは、結婚していて子どももいる。それが夫婦に子ども2人といった平均家庭だとすると、年収514万円というのは、貧しくもなければ豊かでもないといった水準だろう。

つまり、「檀家が200~300軒ほどいれば、そのお寺は"寺だけ"で何とか食っていくことができる」というのは、おおむね事実なのではないか、ということである。

小川 寛大 『宗教問題』編集長

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おがわ・かんだい / Kandai Ogawa

1979年熊本県生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業。宗教業界紙『中外日報』記者を経て、2014年、宗教専門誌『宗教問題』編集委員、15 年に同誌編集長。著書に『神社本庁とは何か』(K&Kプレス)、『南北戦争』(中央公論社)、『創価学会は復活する!?』(共著、‎ ビジネス社)など。

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