映画《宝島》主演・妻夫木聡が朝ドラなどで"超多忙"なのに「全国キャラバン」行った深い理由。「ウォーターボーイズ」「涙そうそう」の経験が背景に

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富山
富山では、思い出の映画館ファボーレ東宝の支配人だった藤村健二氏と再会©真藤順丈/講談社 ©2025「宝島」製作委員会

『涙そうそう』で出会った沖縄の友人たち

そしてもうひとつ。2006年の主演映画『涙そうそう』の方言指導などを通じて出会った沖縄の友人たちの存在も大きかった。

映画の撮影が終了した後も彼らとは交流を深めていたという妻夫木。ある日、沖縄に行ったときに、友人と一緒にカフェでくつろいでいた彼らの頭上に、戦闘機がものすごい爆音とともに飛んできたことがあった。そしてその戦闘機が去って行った後に「妻夫木、これが沖縄だよ」と言われた。沖縄の人にとってまだ戦争は終わっていないのだと思い、ハッとさせられたという。

そして『宝島』でグスクという役を演じるにあたり、さらに戦後80年を迎えた沖縄の人々の思い、これまで知ることのなかった沖縄の現実にあらためて向き合うことになる。

沖縄戦で集団自決が行われたチビチリガマを訪れた際には、そこで親が子を殺したり、夫が妻を鎌で刺したりといったことが行われていたという事実を聞かされた。

そして宜野湾市にある佐喜眞美術館を訪れた際には、丸木位里・俊夫妻が描いた「沖縄戦の図」のチビチリガマとシムクガマの絵を見て、戦争の現実がそこに映し出されていると衝撃を受けた。

全国キャラバンでこの話をするときの彼は、いつでも感極まってしまい、涙ぐんでしまっていたが、それでもなんとか伝えたい、伝えなくては、という思いでせつせつと観客に語りかけ続けていた。

広瀬すず
映画『宝島』の全国キャラバンは6月7日の沖縄からスタート。こちらはヤマコ役の広瀬すずも参加した©真藤順丈/講談社 ©2025「宝島」製作委員会
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