映画《宝島》主演・妻夫木聡が朝ドラなどで"超多忙"なのに「全国キャラバン」行った深い理由。「ウォーターボーイズ」「涙そうそう」の経験が背景に
そしてトークセッションが終わった後は、出口に向かう観客ひとりひとりに名刺を手渡しし、そしてひとりひとりと顔を合わせて握手をし、語りかける。
そこでは照れくさそうにしている観客もいれば、満面の笑みを見せる観客もいる。中には涙を流して喜ぶ観客もいる。そしてもちろん映画館のバックヤードでも映画館のスタッフたちとも交流する……といった具合に、まさに文字通り、観客ひとりひとりに映画を届け続けた。
そしてそれを全国29カ所で行い、およそ5000人近い人たち(うち、映画館スタッフは400人近く)と映画について語り合ってきた。
背景には『ウォーターボーイズ』『涙そうそう』
しかし彼はなぜそこまでして、自ら足を運ぶ全国キャラバンにこだわったのだろうか。それは2001年の初主演映画『ウォーターボーイズ』公開時に全国をまわったときのことにさかのぼる。
当時、妻夫木たちが訪れた富山県のファボーレ東宝(現在のTOHOシネマズ ファボーレ富山)では、支配人をはじめとしたスタッフが『ウォーターボーイズ』に惚れ込み、さまざまなアイデアを出し合いながらも同作を猛プッシュ。
その結果、映画のロケ地でもない、舞台でもない富山という土地の映画館が大勢の観客を集め、動員数で全国2位を記録するという快挙を成し遂げた。
もう一度あの頃のような形で作品に向き合ってみたいーー。妻夫木にとって全国キャラバンは、自分の原点を見つめ直す機会という意味合いも大きかったようだ。ちなみに富山では、そのTOHOシネマズ ファボーレ富山に凱旋することとなり、当時のスタッフ、そして観客と再会するというひと幕もあった。
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