2カ月後、今度は山田さんの地元に妻が直接会いに訪れた。面と向かって話すのはこの時がまだ2度目だったが、やはりふたりは意気投合。しかし、山田さんは迷った。年齢だけでなく、お互いの拠点はかなり離れている。その上、妻は地元の繋がりや暮らしを心の底から愛している人である。
「その生活から離れて『こちらに来て欲しい』というのは酷だろうか、向こうのご両親の気持ちを考えるとあまりいい気はしないだろうし……あれ?これって、実はもうめちゃくちゃ好きになってるってこと?」
相手の人生を含めて、その先を真剣に考え始めている自分に気づいた。山田さんは、生半可な気持ちではなく「結婚」も視野に入れていると伝えた上で交際を申し込んだ。妻の返事は、もちろんOKだった。
アラフィフで5歳・3歳・0歳のパパに
妻との交際がスタートしてから1年ほど経っていた2019年。前妻との間に生まれた娘は20歳となり、結婚して新たに人生を歩み出すのを見届けてから、山田さんは妻に正式にプロポーズをした。
妻は当時25歳。前妻との娘と同世代である。山田さんは義両親の反応が気になっていた。ちなみに義父は山田さんよりも15歳、義母は7歳上。妻よりも義両親の方が世代が近い。しかし、それも杞憂に終わった。
「妻はだいぶ地ならしをしていてくれたようで『とにかく大丈夫だから。両親は全く否定的に思っていないから』と言ってくれていました。実際、義両親は快く迎えてくれて、今では出張に行くときなどは僕ひとりで義実家に泊まることもあります」
そして山田さんは46歳で再婚。好奇心旺盛な妻は、初めて見る山田さんの家業に「やってみたい!」と興味津々。実家の農地に連れて行くと、山田さんの父は「こんな若い人が来てくれるなんて」と大喜び。初日からすぐに打ち解けた。
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