先輩がこぞってメロメロになる「一橋大生」の黄金ルーキー・篠塚大輝。他者を立てる"うまさ"に見る、「若手がチームを引っ張る」時代に必要なスキル
新しいメンバーとして新しい風をグループにもたらしながらも、「組織が大切にしてきたもの」を決して軽視しない。この姿勢こそが、先輩たちが抱く「若い社員に新しい風を吹かせてほしい反面、伝統は守ってほしい」という複雑な期待に応えているのだろう。
まさに「中途採用」だったタイプロ
オーディション序盤では、Sexy Zone時代のことをほとんど知らない応募者の姿も見られた。「われわれtimeleszのことって、知ってくれていますか?」と問いかけた松島に対し、「そんなに細かい……詳しいことまでは把握はしてないんですけど……」と返した人もいたくらいだ。
timeleszの3人は、なにも自分たちに媚びてほしいわけではなかっただろう。信頼関係は、相互の深い敬意から生まれることを知っているから、自分たちが歩んできた歴史について尋ねたのだ。実際、オーディションについて、『タイプロ』内で菊池はこんなふうに語っていた。
「候補生ひとりひとりの想いがどこに向いてるのか。もちろん自分の夢ってところは持っててほしいけど、自分の夢だけじゃ今回のオーディションって成立してなくて。僕らの活動をちゃんと……まあオーディション決まってからでも追ってくれてる人。想い……そういうところにもちゃんと馳せてくれてる人。そこがあるかないかっていうのは、結構大きな判断材料になった」
新しい風を吹かせると同時に、今までの歩みも大切にしてほしい……そうした矛盾した気持ちを、先輩の立場から表現することはなかなか難しい。だからこそ、「アイドルが今、一番やりたい仕事なので」と、まず自分から敬意と覚悟を示した篠塚の後輩力は素晴らしい。
篠塚の発言で特徴的なのは、「僕ら」「timelesz」「8人で」という表現の多さだ。2025年3月のMOREインタビューでは「そんな僕をグループに入れる決断にはものすごく勇気が必要だったと思います。だからこそ、皆さんに『あの決断は正解だった』と思ってもらえるためにも……」と語っている。
「8人で番組に出るときでも、たいてい先陣を切るのが風磨さん」(『bis』2025年SUMMER増刊)「8人をつないでくれていてありがたいです」(『BAIRA』2025年7月号)など、グループを指す際に具体的な人数に触れることが多い。これは8人全員の存在を常に意識していることの表れである。
『timeleszファミリア』の告知コメントでも、「8人での楽しいところや頑張っているところ、面白いところなどが存分に出るような、観ていて幸せになれる、楽しくなれる番組にします! やばい、待ち遠しすぎる。楽しみすぎるのでちょっと走ってきます。いってきます!」とコメント。ここでも「8人」を強調し、さらに元体育会系らしい後輩ぶりを感じさせている、
呼称の選び方も篠塚らしさが出ている。加入後も「風磨さん」「聡さん」と“さん付け”で呼び続けている。
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