
『うる星やつら』のラムちゃんが欲しくて
ドアを開けて圧倒された。部屋のありとあらゆるスペースが「プライズ」と呼ばれるクレーンゲームの景品で埋め尽くされている。
「研究室に置いていたら、どんどん増えていってしまいました」

そう言ってほほ笑むのは、この研究室の主である小山佳一(こやま・けいいち)さん。鹿児島大学大学院理工学研究科の研究科長を務める「大学教授」である。専門は磁気物理学・強磁場科学。30年以上クレーンゲームにハマっており、一時期は毎日のように仕事終わりにゲームセンターへ行ってプレイしていた。
「今も週に2、3回は行っています」
大学教授が“ゲーセン通い”を続けるのはなぜなのか。話は34年前にさかのぼる。
最初にクレーンゲームにハマったのは、愛媛大学の物理学科4年生のとき。自宅近くの古本屋の店頭にあったクレーンゲームを見て足を止めた。山積みになったぬいぐるみの中に、漫画『うる星やつら』の主人公ラムちゃんのぬいぐるみがあったからだ。
「好きなキャラクターだったので欲しいなと思って。奨学金で大学に通っていて、バイトもしていない貧乏学生でしたが、1、2回で取れそうだったのでチャレンジしてみたんです」(小山さん。以下同)
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