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少年院で「食の大切さ」を講演するカフェ店主「包丁は使い方で料理の味を左右する。雑に扱うと自分や人を傷つける」母からの教え説く

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少年院で「食の大切さ」を説くカフェ店主・広野美代子さんの「野菜ランチ」(筆者撮影)

「食の大切さ」を考えることは少年の更生に、どんな影響を与えるのか――。富山市内でカフェを営む広野美代子さんは2025年2月と6月、中部地区にある少年院で食をテーマに講演した。広野さんが営む「カフェゴッコ」は無農薬の地元産野菜を使ったメニューが魅力である。地域でも料理教室の講師を務める広野さん。少年院での講義に、どんな思いを込めているのだろうか。

「ひと口ひと口を大事に。今日食べたものが、明日の体を作る」

「ひと口ひと口を大事にしてね。今日食べたものが、明日の自分の体を作るんだよ」

広野さんは、店で使う野菜を富山県南砺市の生産者グループから仕入れている。旬を大切に、地産地消がモットーだ。地域では子育てサークルや大学、自治体、店舗で、地元産の無農薬野菜を使った料理教室や、添加物のリスクなどを伝える勉強会を開いている。2025年2月、少年院で初めて講演した際も「あなたの食べるひと口を大切に」と強調した。

広野さんの講演はおよそ1時間半。二十数人の少年を前に話しながら、「ちゃんと伝わっているかな。(心に)響いているかな」と、かなり不安だった。しかし、話し終えて質問のタイミングでサッと6、7人の手が挙がり、「伝わっている」と思った。2週間ほどして少年院の施設長から礼状と少年たちが書いた感想文が届き、あらためて手応えを実感した。

「明るい話しぶりに元気をもらった。命の大切さにあらためて気づいた。自分で料理をするときは冷凍食品ばっかり使っていた。料理がうまいとモテるから頑張りたい。食の安全は当たり前じゃない……。いろいろな思いをたくさん書いてくれています」

【画像を見る】広野さんが営む「カフェゴッコ」の料理や講座の様子はこんな感じ

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【少年院から広野さんのもとに再び依頼が届く】

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