アニメでも実写でもいちばん大事なのはストーリーです--映画『ジョン・カーター』アンドリュー・スタントン監督

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そんな作品を映画化するという意味ではプレッシャーがありました。発表から100年、本当に愛されている物語で、いろんな人が映画化しようと努力をしていた作品です。ディズニーの記念映画になるというのは、撮影の真ん中くらいに気がつきました。事前に知っていたらさらなるプレッシャーとなったでしょう。

『海底2万マイル』や、『スイス・ファミリー・ロビンソン』など、代表的なディズニー映画がありますが、物語的には、それと同じように、本当に男の子たちというか、若者をわくわくさせる作品だと思います。

--脚本も含めて担当していますが、全体のストーリー作りで、気を配られた点を教えてください。

この本から映画を作る難しさは最初からよくわかっていました。本でうまくいっていることは、必ずしも映画でうまくいかない。これは芝居を脚色する場合もそうですが、クオリティの高い脚色が要求されます。

私が恵まれていたのは、共同脚本家であるマーク・アンドリュースとマイケル・シェイボンが、私と同じくらいの年に原作を読んでいて、同じように作品を愛していたこと。われわれには「この本を守ろう」という気持ちがまずあった。そして、少年の頃感じた気持ちを大事にしながら、変更を加える作業をしました。作品は、私が本を読み終えたときの気持ちを、そのまま表せたと思います。


©2011 Disney. JOHN CARTER(™) ERB, Inc.

■信じられる世界を作るためにCGを抑えた

--アニメと実写映画の違いをどう感じていますか。

この映画を撮っている最中にでも、「どう? 人間と一緒に仕事して」(笑)って言われます。アニメーション作りでも、いつも人と一緒に仕事していて、コンピュータを相手に監督をしていているわけではありません。

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