東京は世界の都市間競争に勝ち残れるか 2025年、五輪後に東京の真価が問われる

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また、ロンドンの都心の力を高めると期待されているプロジェクトのひとつが、テムズ川南岸の「ナイン・エルムズ」です。ビッグベンがあるウェストミンスター区からテムズ川を挟んで対岸に広がるエリアであり、「ロンドン中心部開発の最後のピース」と呼ばれています。数十年前までは工業地域としての役割を果たしていましたが、近年は第二次産業の衰退によって活気が失われ、ロンドン中心部への近接性にもかかわらず、手がつけられていない状況が続いていました。

そこで英国政府とロンドン市は、民間企業と共同で195ヘクタール(東京ドームのグラウンド約150個分)にも及ぶ広大なエリアを、ロンドンの新たな中心街として開発することを決定したのです。これはロンドンでも最大、またヨーロッパでも最大規模の都市再生計画です。

ナイン・エルムズは、テムズ川沿いの大規模な都市再生を通じて、新たな国際業務地区として生まれ変わりながら、文化や芸術活動の中心地としての役割を果たすことが期待されています。

これらのプロジェクト以外にも、将来のロンドンの都市総合力を高めると思われるプロジェクトは数多くあります。とりわけ、大都市圏としてのロンドンの力を大きく向上させることになるのが、ヨーロッパ最大規模の都市鉄道建設プロジェクトの「クロスレール」です。

クロスレールは、ロンドン市の西に位置するレディングからロンドン市の東に位置するシェンフィールドおよび市内のアビー・ウッド駅を結ぶロンドンの新たな東西鉄道線です。現在、2018年の部分開通、2019年の全面開通を目指して40カ所以上で工事が行われています。クロスレールの最大の特徴は、この鉄道がカナリー・ワーフとシティ中心部、ウェスト・エンド、ヒースロー空港といった東西におけるロンドンの重要な拠点を結ぶということです(クロスレースの路線図)。

今後も人口がますます増加すると予測されている世界都市ロンドン。そのロンドンが成長・発展を続けていくうえで重要な鍵を握るロンドン東部地区は、オリンピックという起爆剤によってすでに大きな変貌を遂げつつありますが、今後もクロスレールが完成することで、さらなる変化が期待されます。

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