東京は世界の都市間競争に勝ち残れるか 2025年、五輪後に東京の真価が問われる

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加えて、都心部における大規模プロジェクトであるキングス・クロス・プロジェクトやナイン・エルムズ・プロジェクトが完成することで、これまでに存在していなかった新たな拠点が創出されます。世界都市ロンドンがどこまで成長していくのかが注目されます。

ニューヨーク

ニューヨークは世界最大の金融都市として発展を続け、また、多様性に富んだ都市として世界中から人々を惹きつけています。GPCIにおいては、2012年に1位の座をロンドンに明け渡しましたが、国際的な政治、経済、文化において、極めて大きな力を持つ、言わずと知れたグローバル都市です。

ハイラインから見たハドソン・ヤーズ

現在、ニューヨークで最も注目される都市開発プロジェクトと言えば、ハドソン・ヤーズでしょう。これは、マンハッタンのウェスト・サイドに位置する操車場用地の上に予定された複合開発プロジェクトで、総延べ床面積は162万平方メートルに上る米国史上最大の民間不動産開発と呼ばれているプロジェクトです。ニューヨーク市では、1939年のロックフェラー・センター以来の最大の開発となります。

ここには数多くの大型高層建築の建設が予定されています。「10ハドソン・ヤーズ」(2016年完成予定)は、コーン・ペダーセン・フォックス・アソシエイツ(KPF)によって設計された52階建てのオフィスビルで、これと接続する「30ハドソン・ヤーズ」(2019年完成予定)は同じくKPFによって設計された92階建てのオフィスビルです。さらに、70階建ての「15ハドソン・ヤーズ」(2018年完成予定)は、同地区にオープンする最初の住宅となる予定で、400戸弱の住宅を供給する予定です。

また、ハドソン・ヤーズには、2ヘクタールの広さを持つパブリック・スクエアが作られます。ランドスケープ・アーキテクトのトマス・ウォルツとヘザーウィック・スタジオによって設計されたこのスペースでは、緑豊かな歩道が作られるとともに、イベントや展示を行うことができる施設が建設されます。超高層建築物が立ち並ぶハドソン・ヤーズにおいて人々の憩いの場となることは間違いありません。

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