国策半導体の失敗、負け続けた20年の歴史、親会社・国依存から脱却を

総合電機傘下であることは、投資競争でもマイナスに働く。東芝の元半導体担当役員は「かつては総合電機のリソースで事業を展開できるメリットがあったが、今ではすべてがネガティブ。半導体事業で巨額投資が必要だとしても、全社バランスで決断できない」と話す。

こうした構造が改善されないまま国頼みの再編を行っても、同じ失敗を繰り返すだけだ。

大企業に埋没させず勝てる技術の支援を

東芝出身で次世代メモリなどの開発に携わる中央大学の竹内健教授は、「ニッチ領域でも世界トップシェアになれば儲かる。大企業の中で埋没させずに切り離すべき」と主張する。

巨額の設備投資が勝負を決めるのは半導体産業の一面でしかない。現代の半導体産業を席巻しているのは、米クアルコムや英アームなどシステムやサブシステムも含めた頭脳集団だ。米国を中心に大手半導体からスピンアウトした技術者によるベンチャーが数多く活躍している。

今ならば、日本の半導体メーカーにも勝てる技術は残っている。ならば、各企業は赤字事業の統合に汲々とするのではなく、有望技術を切り離し、自立を促すことが必要なのではないか。国の役割があるとすれば、それを支援する仕組み作りだ。

(週刊東洋経済2012年4月21日号)

記事は週刊東洋経済執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります。撮影:引地信彦
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