国策半導体の失敗、負け続けた20年の歴史、親会社・国依存から脱却を

日の丸ファンドリー構想は、その後も何度か浮上したが、05年に富士通が先端プロセスの新工場を立ち上げたことで立ち消えとなった。それだけに「00年代前半までなら、この構想に勝算があったかもしれない。だが、もう手遅れ。今さら工場が重荷なので税金で面倒を見てくれというのでは、あまりにも虫がよすぎる」と経産省関係者は憤る。

近年、日本政府が主導するのは、行き詰まった各社の半導体事業の救済を目的とした再編案ばかり。結局、「現場は理想像を描いても、官の上層部による天下りなどの思惑と大企業の利害といったポリティクスで歪められていく」(前出の経産省関係者)。

もちろん企業側にも問題はある。

90年代、週末になると日本人技術者が韓国に出向き、技術指南という名のアルバイトを行っていたことは業界でも知られた話。韓国企業に負けるはずがないという驕りがライバルを育てた。

多くの業界関係者が弱体化の原因と指摘するのが、半導体事業が総合電機の一部門であること。

日本の半導体メーカーは赤字受注が当たり前。半導体は量が出ればコストが下がるため、当初は赤字でも問題ない場合もある。しかし、量の保証もないまま、採算割れでの販売が続くことも珍しくない。外資系半導体メーカー社長は「われわれは一定以下の利益率では受注しないが、日本メーカーは2の価格で売るべき製品を1・5で売ってしまう」と呆れる。

もともと日本の半導体事業は自社セット向けに発展してきた。社内取引であるため半導体だけの採算をシビアに問われることはなかった。外販でも全社合算で利益が出ていればいい。そのため、製品ごとに仕様や価格交渉を行う「マーケティング機能」は育たず、顧客の要求に盲従する下請け体質がしみ付いたままだ。

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