タックスヘイブンの闇 世界の富は盗まれている! ニコラス・シャクソン著/藤井清美訳 ~オフショアの実態を克明に描きだす

タックスヘイブンの闇 世界の富は盗まれている! ニコラス・シャクソン著/藤井清美訳 ~オフショアの実態を克明に描きだす

評者 高橋 誠 ユナイテッド・マネージャーズ・ジャパン会長

オリンパス問題、AIJ年金消失問題で話題となった、英領ケイマン諸島、英領バージン諸島はいずれも、タックスヘイブンという租税回避地である。本書は、昨年英国でベストセラーとなった原題『宝島:タックスヘイブンと世界を盗んだ男達』の全訳である。

タックスヘイブンの利用目的は、どこからも課税されないという二重非課税性、守秘性、および金融規制のゆるさなどであり、多国籍企業、個人富裕層を問わず利用者のニーズはとどまるところを知らない。

タックスヘイブンを分類すると、(1)ダーティマネーの最大の保管場所であるスイス、金正日氏の40億ドルの資産があるといわれるルクセンブルク、書類を午後3時までに当局に出せば、たとえ目論見書がどんなに厚くてもファンドは翌日認可されるアイルランドなどの欧州諸国、(2)英国王室属領のジャージー、ガンジーなどと英国の海外領土であるケイマン諸島、バージン諸島など(ちなみに、人口5・7万人のケイマン諸島は、その最高権力者である総督は英国女王によって任命され、今や世界第5位の金融センターである。8万社が登記をし、ヘッジファンドの4分の3以上、預金はニューヨーク市の銀行の4倍にあたる1・9兆ドルを持つ。また人口2・5万人のバージン諸島には、なんと80万社が登録をしている)、(3)中南米の麻薬密輸の中継地であるパナマを含む米国、である。

ライフの人気記事
トピックボードAD
関連記事
  • 岐路に立つ日本の財政
  • 最新の週刊東洋経済
  • 本当は怖い住宅購入
  • 賃金・生涯給料ランキング
トレンドライブラリーAD
  • コメント
  • facebook
-

コメント投稿に関する規則(ガイドライン)を遵守し、内容に責任をもってご投稿ください。

ログインしてコメントを書く(400文字以内)
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
トレンドウォッチAD
熱狂は終わるか<br>IPO総点検

ベンチャー投資の活況が続く中、2019年は86社が新規株式公開(IPO)を果たしました。ただ、秋から公募割れが頻発するなど変調も見えます。市場で起こっている実態に迫りました。若手起業家が選んだ「すごい投資家」ランキングも掲載。