この就職力の秘密は、カリキュラム内容にありそうだ。ビジネスの現場で必須とされる「英語」、「IT」、そして履歴書の書き方や面接対策などを学ぶ「キャリアマネジメント」が必修科目となっている。特に今、重要なのは「IT」だという。「再就職したいなら、まずはIT。30~50歳代でITができないと採用してもらうのは厳しい」と、生涯学習課リカレント教育課程の茂木知子氏はアドバイスする。
では、どのくらいのレベルを狙えばよいのか。リカレントでは、必修科目の「ITリテラシー1・2」を通じてしっかり勉強し、例年ほぼ全員がマイクロソフト認定のMOSエクセルのスペシャリストに合格するそうだ。中にはエキスパート(上級)に合格する人もいるという。選択必修の「ITリテラシー3」まで取れば、専用ソフトがなくてもHP作成が可能となる。
この技術を生かし、自作のウェブサイトを企業に見せ、採用が決まった人もいるそうだ。今年の春に大学の研究室に採用が決まった58歳の女性も、この授業のおかげで就職直後に任されたHP作成ができたという。リカレントではいずれも就活の直近で習得するため、「最新のIT技術を勉強した証」として企業にPRできる。
役に立つ「リスクマネジメント」
選択必修科目も資格準備講座が充実している。特にリスクマネジメントに関する授業は「勉強してよかった」「役立った」と評価が高い。
一つは、「記録情報管理者資格準備講座」で、総務や人事関連への就職に生かされている。そしてもう一つは、「内部監査の実務講座(公証内部監査人準備講座)」だ。最終的には実務経験がないと取れない資格だが、この授業で学んだことが評価されて企業の内部監査室に採用となり、現在正社員として働いている女性もいるという。
「日本企業はリスクマネジメントの分野への対応が遅れているので、そこまで手が回らない中小企業などでこうした知識は重宝されるのではないか」と、生涯学習センターの高頭麻子所長は話す。いずれも、今非常に社会的ニーズが高い資格であり、資格は取らずとも勉強しておけば、どの会社に入っても「学んでよかった」と思う知識だという。
このほか、「貿易実務」受講者の中には、在籍中に貿易実務検定B級に合格し、貿易関係の仕事に正社員で採用された人などもおり、資格を生かして再就職に成功する修了生は多い。
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