また、ジャニーズ問題などで先鋭的に対応を実践していた新浪さんが、まさに自らに突き刺さる刃のように、自らの清廉潔白性を要求された側面があるだろう。私は新浪さんに好意的な感情をもっていた。しかし、さまざまな感情をもっていた人がいたに違いない。実際に、今回の辞任について、さまざまな賛否両論がある。
一方で、私は違う観点から論じてみたい。それはタイミングについてだ。
報道のタイミングについて
前提として私は陰謀論を信じない。そして、大麻の所持や使用には当然ながら反対だ。あくまで日本の法律を遵守するのが当然と考えている。そのうえで、このタイミングだった理由を邪推したい。
今回の捜査はもちろん、警察からメディアにリークされていたと筆者は考えている。偶然かもしれないが、なぜか同じタイミングで薬物使用で逮捕された俳優もいる。
まず①思いつくのが、「大麻取締法及び麻薬及び向精神薬取締法の一部を改正する法律」だ。2023年12月6日に国会で可決・成立した。そのあと本施行が、2025年3月1日からで、世間の意識を惹起するに最善のタイミングだったといえる。
この改正により、大麻の使用が明確に禁止され、THCを含む製品の規制が強化された。とくに市場に流通する商品からTHCが検出された場合は許されないと注意喚起が強化されている。
福岡県警は改正法を受けて、迅速な監視体制を強化するとともに、社会にPRする狙いがあった可能性がある。さらに、厚生労働省でも輸入する際の確認手続きを変更し、違法成分(THC)をチェックする手続きを強化するタイミングでもあった。

次に②、若年層の大麻乱用への重点的取り締まりに力を入れている。2025年6月から厚生労働省は「『ダメ。ゼッタイ。』普及運動」を相当に注力している。
大麻事犯の検挙者数が増えており、さらに、30歳未満の若年層が7割以上を占めている。若年層への啓発と取り締まりを強化している状況だ。この運動は警察とも連携している。なお、東京都も6月「6・26国際麻薬乱用撲滅デー都民の集い」を開催し、薬物乱用防止を訴えていたところだった。
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