新「AppleTV」、実際使うと分かるその破壊力 アップルの「お茶の間新兵器」を最速リポート
「日本向けのコンテンツがないのでは」と思われそうだが、そうではない。動画配信は日本でもビジネスが活性化しているため、「映像がない」わけではない。ただし、映像に付随する「情報」は不足しているように思える。
新しいApple TVでは、音声でコンテンツの検索ができる。PCやスマホに比べ文字入力が困難なテレビで、音声認識は重要度を増しており、正しいアプローチだ。実際、音声認識精度も悪くない。
データ整備は1日にしてならず
だが、検索できるジャンルなどの情報がまだ足りない。例えば「時代劇」や「日本映画」というキーワードで検索に失敗したりする。検索のためにキャスト・スタッフ情報が提供されているが、写真が入っていなかったり、情報が正しくなかったりするものも多い。米国では、動画サービスを複数串刺し検索し、「この映画はどのサービスで見られるか」をわかりやすく示す機能があるのだが、日本ではまだ満足に動いていないようだ。
こうした情報の充実には、ある程度時間が必要だ。逆に言えば、「時間さえあれば充実してくる」ものとも言える。米国は、日本より10年は進んだ映像配信大国だから、そうしたデータの整備も進んでいる。現在見えているのは、その違いだ。
米国のような映像配信大国と日本を比較すると、ニーズの部分でかけているのは「放送発コンテンツの取り込み」だ。Apple TVではリアルタイムの放送や録画の視聴ができないわけで、日本だと「テレビの機能の代わり」にしてしまうのは辛い。VODや見逃し配信、ネットでのリアルタイム配信が整備されている海外の国々では、全く事情が違うはずだ。
だが、日本も遅ればせながら、「放送発コンテンツのネット活用」が本格化した。VOD増加もその一翼を担っている。Apple TVが「アプリプラットフォーム」であるのは、そういう状況でも、アプリ追加で進化させていける分、有利である。
こういった「進化しやすいプラットフォーム」が、これからのテレビ向け機器では基本になる。アマゾンの「Fire TV」もグーグルの「Nexus Player」も、そしてゲーム機もそうである。手軽にテレビの機能を拡張できる機器の存在が、動画配信の普及には欠かせない。
そういう意味では、日本にとってはちょうどいい時期に、Apple TVは「アプリベースになってくれた」とも言えそうだ。
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