工業情報化省は2025年2月、レアアース製品の流通情報トレース制度の草案を公表し、パブリック・コメントを募集。一定の条件を満たした関連企業に対して先行導入を奨励していた。
今回施行された新規制には、ルール違反が発覚したり行政処分を受けたりした関連企業の生産枠を削減する罰則も盛り込まれている。

中国の関連企業が海外から輸入しているレアアース原料も、今回初めて管理対象に組み込まれた。新規制には、輸入原料を使ったレアアース製品の生産にも総量規制が適用される旨が明記されている。
ミャンマーなどから原料輸入
財新記者の取材に応じた業界関係者によれば、中国のレアアース鉱山は長年の採掘を経て鉱石の品位が低下しており、レアアース製品の生産企業はミャンマーやベトナムなどからの輸入で原料不足を補っている。
また、中国の分離精製工場の生産能力拡大により国内産の原料だけでは供給が足りず、(設備稼働率を上げるために)海外から輸入せざるをえない事情もあるという。

海関総署(税関)の貿易統計によれば、2025年1月から7月までの期間に中国が輸入したレアアース精鉱は2万4000トン、レアアース精製品は4万4000トンに上った。
中国政府はレアアースの戦略的価値を重視し、業界に対する規制強化を重ねてきた。2007年に採掘および分離精製プロセスへの総量規制を導入し、2016年には全国の関連企業を整理統合して6つの国有企業グループを形成する業界再編を断行。国家主導のレアアース統制を強めている。
(財新記者:蘆羽桐)
※原文の配信は8月23日
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