「試合がなくても人がいっぱい」「札幌ドーム時代と大違い」との声も。「エスコンフィールドHOKKAIDO」入場無料なのにガッポリ儲けが生まれるワケ

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ボールパーク全体で、試合がない日の来場者の平均滞在時間は3時間8分。試合日は平均で3時間44分も観戦客が滞留するといい、平均値でも実際の試合時間より1時間程度長く滞在していることになる。この滞在時間中に、ボールパークでアクティビティ・グルメを楽しむ人々が、きわめて多いのだ。

こういった「無料で長時間楽しめる、有料ならもっと楽しめる」ような巨大な街で、訪問者が長時間を過ごせば過ごすほど、売上・利益を稼げる。そんなノウハウを、日本ハム並びにFSE社は、ボールパークで獲得したと言っていい。

京セラドーム大阪
京セラドーム大阪(大阪ドーム)。周辺に遊園地・巨大ゲームセンターなどが整備されていた(筆者撮影)

試合日以外でも収益を上げられる「ボールパーク」という発想はアメリカでも当然のようにあり、日本でも「大阪近鉄バファローズ」の本拠地・大阪ドーム(現:京セラドーム大阪)とセットで遊園地「シムランドQ」、商業施設「パドゥ」「グリンドムモール」が整備された事例がある。

しかし、第三セクター主体の”お役所仕事”で作られたとあってか全く魅力のない仕上がりとなり、早々に”ほぼ廃墟”となったうえで閉鎖。球団も赤字に耐えかねて、2004年に消滅してしまった。

せっかくのボールパークも、「集客のノウハウ」「トレンドをすぐ掴んで商売を始める機動性」を持ち合わせていないと、事業として利益を出せない。その点で、民間であるFSE社は魅力ある施設を揃えたからこそ、ビジネスとして成立したのだ。

大阪ドームの失敗事例を思い起こしつつ、経営者の目線であたりを歩くと、来訪者の滞在時間が伸びる→単価が上がる→利益獲得という「ファイターズ・日本ハム流ビジネスモデル」の優秀さが垣間見える。

エスコンフィールド成功、影の理由は「札幌ドーム脱出成功」?

札幌ドーム
札幌ドームは国道36号・月寒通沿いの好立地にある(筆者撮影)

続いて、札幌ドームを去ったことによる経営改善について、検証してみよう。

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