藤原新選手が問う日本マラソン界のあり方

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大半のマラソン五輪選手は実業団が輩出しており、市民ランナーが候補に上る例はほぼ皆無だった。だが、今の日本の男子マラソン界ではどの実業団にも属さない2人の選手が五輪代表候補に上った異常事態ともなっている。

かつて日本のお家芸と呼ばれた男子マラソンだが、近年の世界大会では、海外勢に歯が立たないでいた。 この遠因が、日本固有の問題にあるとの見方がある。複数区間をたすきでつなぐレース、駅伝の存在だ。

実業団は近年、駅伝を最も重視している。箱根駅伝と並ぶ正月恒例のニューイヤー駅伝(全日本実業団駅伝)は象徴だ。抜きつ抜かれつの混戦や、ごぼう抜きの大逆転、区間新の快走などといったドラマが、テレビを通じて全国の視聴者を引きつけ、実況では企業名が連呼され、絶好のPR機会となる。

全国大会だけでなく、地区予選会も気が抜けないという。強豪チームになると1人年間2000万円かかるともいわれる強化費を捻出している関係から、「サポーターである自社従業員の支持を得るためにも、駅伝で好成績を残さなければならないというプレッシャーが強い」とある選手は打ち明ける。

しかし、駅伝への強い取り組みはマラソン選手を強くするという観点からみると有効ではない。

駅伝は最も長い区間でも1人20キロメートル前後。スピードを重視するなど、42.195キロメートルを走るマラソンとは練習の質が違う。マラソンの体をつくるのには一流選手でも3カ月かかるとも言われ、駅伝を重視すればするほど、マラソンに集中した練習をするのが難しくなる。

 

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