藤原新選手が問う日本マラソン界のあり方 ニコ動ユーザーから応援資金
ロンドン五輪の男子マラソン代表に選ばれた藤原新選手(東京陸協)は16日、動画共有サイト「ニコニコ動画」を運営するドワンゴなどと都内で共同会見を行い、ニコ動ユーザーに活動資金の支援を募ると発表した。
ニコニコ動画の有料サービスを利用するプレミアム会員のうち、藤原選手を応援するユーザーの1カ月分の月額会費525円が支援金となる仕組み。先着2万人の枠で最大1050万円となる計算だ。同サイトにおける番組企画での情報発信もしていく。
藤原選手は今年2月の東京マラソンで総合2位、日本人トップの2時間7分48秒でゴール。日本人の2時間7分台は5年ぶりで、ロンドン五輪代表に文句なく選ばれた。
藤原選手は3月30日付で、「藤原新」の社名で株式会社を設立。自身に関わる広報宣伝活動や営業活動などをビジネスとして展開する取り組みを始めたばかり。今回、ニコ動ユーザーに活動資金を募る取り組みについて藤原選手は16日の会見で「日本のアスリートのあり方を変える可能性がある」と語った。
その言葉が意味するものは何か。それは、企業が従業員として選手を雇う実業団が頂点に立つ、日本の男子マラソン・長距離界が抱える構造問題と直結する。
藤原選手は、現在、フリーとしてどの実業団にも属していない。代表こそ逃したものの、ロンドン五輪の代表選考レースであった昨年12月の福岡国際マラソンで日本人トップの力走を見せ、代表争いに絡んだのも、市民ランナーの川内優輝選手だった。