無数の情報から「オリジナリティ」を見つけるには?――哲学者が教える「独自性」の作り方
カフェで作業しているとまわりにはスマートフォンをいじる人、友人とおしゃべりを楽しむ人、黙々と読書をしている人など、さまざまな目的でそこにいる人がいます。
週1で通っているジムのラウンジに目を向けても、運動を終えてストレッチをする人、スマートフォンをチェックしている人、友だちと合流して雑談する人など、やはりいろいろな過ごし方をしている人たちが集まっている。
どちらの場所も、「自分ひとりの世界に集中しつつ、同時に他の人たちとも緩やかにつながっている」という不思議な感覚を私は味わっています。
カフェもジムも、施設としての目的は異なっていますが、そこに集まる人たちの過ごし方や雰囲気には通じ合うものがあります。
自分たちだけのリラックス感を味わいながら、なんとなくその他大勢の人たちと一緒にいる安心感も享受している。そんなふうにひとりだけれどひとりじゃない、というような曖昧な居心地の良さにカフェでもジムでも浸っている自分に気づくことができました。
こうした共通点から「本来の機能や目的を越えて、人がゆるく交わるスペース」というモチーフを自分なりに見つけることができました。
同じようなスペースが、実は学生時代にはいろんなところにありました。
放課後の教室、図書室や食堂、子ども向けの公園や塾のラウンジ……。ところが大人になると、そういう居心地のいい中間地帯のようなスペースを見つけることが急に難しくなってきます。だからみんなお金を払ってでもそういうところに行くのかもしれない。
ここまで考えることができれば、「そういう視点で新しい居場所を探してみよう」と街に繰り出していくこともできますし、「みんながそういうふうに過ごせる新しい空間を提案してみよう」と会社の企画や起業のアイデアになるかもしれません。
そのきっかけになったのは、たまたま自分がその日にカフェとジムをハシゴして過ごしたことです。
自分だけの「トレンド」をつくってみる
この2つの原則にもとづいて自分なりの「筋道」を見つけるためのテクニックとして、「自分だけのトレンド」をつくってみるのもおすすめです。
たとえば、ここ2、3カ月のあいだに観た動画や読んだ本、聴いた音楽などのうち、強く印象に残っているものを3つほど挙げてみてください。あまり深く考えず、とにかく「良かった!」「面白かった!」と感じたもの、パッと頭に浮かんだもので構いません。
その3つを書き出してみたら、今度はこじつけでもなんでも構わないので、それら3つのあいだにどうにか共通点を見出すことができないかを考えてみましょう。
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