無数の情報から「オリジナリティ」を見つけるには?――哲学者が教える「独自性」の作り方

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名前や台詞、歌詞の中に似たようなワードが含まれているとか、なんとなく恋人と決別してひとりで生きていくような筋書きのものが多いなとか、同じ色が使われてるなとか、どんなものでも構いません。

最初は具体的なもの(すべて「東京」という場所が舞台になっているなとか、「野球」に関係するものが多いなとか)から考えていって、だんだんとテーマっぽくて抽象的なもの(「家族が再生していくプロセスを描いているな」とか「丸いかたちのキーアイテムが登場するな」とか)に駆け上がっていくことができるのが理想です。

共通点を見つけて、さらに探索を続ける

何か共通点のようなものが見えてきたら、今度はその共通点に当てはまるものが、自分がこれまで触れてきたものや好きだったものの中にも見つけることができないかを探索してみましょう。

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直近で印象に残ったものから抽出したテーマで、自分のこれまでの人生を検索してみるのです。そうやって同じ共通点を持つものがどんどん出てきたら、それがあなた自身のトレンドだといえるかもしれません。

たとえば、「人工知能」というキーワードが浮かび上がってきたなら、次に観たり読んだりする作品としてSFを選んでみて、自分のトレンドを自覚的になぞってみるのです。

そういったことを繰り返していくうちに、一見バラバラだったいろんな経験同士が結びついて、より深い洞察を得られることがあります。

ただし、この「自分だけのトレンド」は固定的なものではありません。新しい作品や情報に触れるたびに、トレンドは少しずつ変化していきます。むしろ、その変化を楽しむように意識してみてください。

「これまでは○○に関心があったのに、いまは△△のほうが気になっている」という移り変わりを振り返るだけで、自分の思考や好みがどのように成長・変化しているのかが明確にわかるはずです。

田村 正資 哲学者

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たむら ただし / Tadashi Tamura

1992年、東京生まれ。東京大学大学院総合文化研究科博士課程修了。博士(学術)。専門は現象学(メルロ゠ポンティ)。開成高校クイズ研究部リーダーとして、伊沢拓司と第30回高校生クイズ優勝(2010年)。現在は株式会社batonで新規事業開発を手掛ける。これまでにYouTubeチャンネル「QuizKnockと学ぼう」やECサイト「QurioStore」の立ち上げに携わった。新規事業開発のかたわら、哲学研究と作家活動も継続。論文執筆のほか、『ユリイカ』『群像』に論考や批評を寄稿・連載するなど文芸誌でも活躍している。著書に『問いが世界をつくりだす メルロ゠ポンティ 曖昧な世界の存在論』(青土社)、『独自性のつくり方』(クロスメディア・パブリッシング)。

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