コメダと双璧をなす「喫茶王国」の老舗チェーン→でも東京には出店せず→名古屋でしか味わえない「熱々から注ぐアイスコーヒー」の魅力

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今回ももちろんエビフライサンドをいただいた。エビフライをたっぷり3本使用したこのサンド、何度見てもかなりのインパクトだ。

作り置きをせず、注文が入ってから揚げるエビフライは衣が薄く、プリッと弾力があってエビの風味が際立っている。エビフライ3本とボリュームがありながら、油っこさがない。味付けは酸味のある濃いめのカツソースとまろやかなタルタルソースのダブルソース。この2つのソースのバランスが絶妙で、エビフライのおいしさを引き立てている。シャキシャキかつしっとりとしたキャベツの千切りと厚焼き玉子が脇を固め、こんがりと焼かれたトーストにサンドされている。

個人的には、この厚焼き卵がいい仕事をしていると思う。エビフライとキャベツだけでも十分にサンドとして成り立つのだが、ほんのりとした塩味がある温かい卵が両者を包み込むことで、やさしい味わいになり、老若男女に愛されるサンドイッチになったのではないかと推察している。

筆者も子どものころから折々に食べてきたが、全く飽きない。「あの味が食べたい」に応えてくれる。“思い出補正”を覆し、むしろ美味しくなっているとさえ感じる。コーヒー同様にオリジナルの味を忠実に守り続けていることが、過去最高を更新続けられる秘訣なのだろう。

唯一の弱点は、崩れやすいこと。薄めのトーストに対して、具材がその3倍以上あるので、どうしてもキャベツなどがこぼれてしまう。その点は、このエビフライサンドの完璧な黄金比を守るためだと、ご容赦いただきたい。

テイクアウト可能、老若男女に愛されるお土産

コンパルのサンドイッチは常時テイクアウトが可能だ。そのため、ライブイベントや放送局のケータリングとしてのニーズも高く、松任谷由実さんなど芸能人にもエビフライサンドのファンは多い。「有名人の方が後日SNSで紹介してくださって、あの時のご注文がそうだったんだと。そうすると、その方のファンの方が来てくださったりして、本当にありがたいです」(播磨店長)。

筆者も子どもの頃、お土産にコンパルのエビフライサンドを持ってきてくれる親戚がいて、「おばちゃん、今度はいつ来るの?」と心待ちにしていたものだ。

テイクアウト用のパッケージ
テイクアウト用のパッケージ(筆者撮影)
テイクアウトのエビサンド
テイクアウトのエビサンド。おしぼりと紙ナプキンが入っている(筆者撮影)

冷めるとしっとりとして、これもまた美味しい。テイクアウトして新幹線で楽しむのもいいのだが、時間が許す方は、ぜひ店内で出来立ての温かい、トーストやエビフライがサクッとしたエビサンドを味わってほしい。

【画像を見る】名物「エビフライサンド」に「熱々から注ぐアイスコーヒー」はこんな感じ。
編集部注:本記事に登場するメニューの価格はすべて取材時点のものです。昨今の原材料高騰などの影響を受けて価格が改定されている可能性があります。また、本連載で紹介するローカル飲食チェーン店によっては、メニューが店舗ごとに異なる場合もあります。
山田 智子 フリーライター・カメラマン

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やまだ ともこ / Tomoko Yamada

日本サッカー協会勤務を経て、2013年に独立。フリーのスポーツライター・カメラマンとして、東海地方を拠点にバスケットボール、サッカー、フィギュアスケートなどさまざまなスポーツの現場を飛び回る。『Number』『中日新聞』など各種媒体に寄稿するほか、愛知県のバスケットボールWEBマガジン『愛B café』を運営。競技の魅力だけでなく、アスリートの知見のビジネス活用やスポーツを通じた街づくりにも関心を持ち、現場目線での取材・執筆を行っている。

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