データで判明「離婚年齢ランキング」の驚く結果…婚姻届の35%以上の離婚届が提出される日本の実態

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総数で見ると、妻側からの申立て動機が夫からの申立ての2.7倍と大きな差がありますが、申立て理由別でみると、異性関係(妻からの申し立てが夫からの3.0倍)、暴力をふるう(同5.8倍)、酒を飲みすぎる(同6.4倍)となっています。男女差が特に大きいこの3つの原因を件数でみると、暴力をふるう>異性関係>酒を飲みすぎる、となります。

暴力、性的なだらしなさ、酒乱またはアルコール依存症は、いずれも子どもの心に大きな傷を残す親の姿です。「私は我慢できるかも」といった妥協は、特に子を持つ希望があるなら一切しないが吉です。また、見方を変えれば、こういった傾向をもつ男性パートナーを選ぶと、裁判に発展するような泥沼の離婚につながりやすいとも言えます。

恋人時代に「ちょっとやんちゃだけれど、私には優しい」といったケースがあるのかもしれませんが、私にだけ、という条件は期間限定条件となる可能性も十分にありえます。恋は盲目とばかりに自分に都合のよい見方をする正常性バイアスに気をつけねばなりません。

先人が示してくれた離婚リスクを踏まえる

また、ずいぶん前になりますが、毎晩のようにパトカーが出動するほど暴れる酒乱夫が近所にいる、という方から、「あの家の夫は、結婚前、お見合いの席などでも飲めないといって、一切のまない男性だったらしい。相手の家族ぐるみで酒乱を隠されたと聞いた」という衝撃的な話をうかがったことがあります。妻からの訴えが夫からの訴えの6.4倍ともなる酒癖について、特に女性側は気を付けておいたほうがいいでしょう。

先人が示してくれている離婚リスクを十分に踏まえたうえで、子どもが欲しいなら、「妊娠してからの夫婦の在り方」をよく話し合い、また、子どもが欲しいかどうか以前の問題として、パートナーの暴力性、異性関係のだらしなさ、酒癖などには毅然とした態度を見せることができる自分であることがともに大切です。

そう考えると、今どきの若者が最も理想とする「子どもができても夫婦ともに仕事を辞めずにずっと働きつづけることができる経済的に自立した2人が一緒になる」ことが、35%大離婚化社会の「離婚王道の轍」をふまない策といえそうです。

天野 馨南子 ニッセイ基礎研究所 人口動態シニアリサーチャー

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あまの かなこ / Kanako Amano

東京大学経済学部卒。日本証券アナリスト協会認定アナリスト(CMA)。1995年日本生命保険相互会社入社、99年より同社シンクタンクに出向。専門分野は人口動態に関する社会の諸問題。総務省「令和7年国勢調査有識者会議」構成員等、政府・地方自治体・経済団体等の人口関連施策アドバイザーを務める。エビデンスに基づく人口問題(少子化対策・地方創生・共同参画・ライフデザイン)講演実績多数。著書に『まちがいだらけの少子化対策』(金融財政事情研究会)『未婚化する日本』(白秋社・監修)『データで読み解く「生涯独身」社会』(宝島社新書)等。

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