甲子園優勝で沖縄の道路がガラガラに?「テレビをつけて応援する職場」に「イオンでの大熱狂」“一致団結の大フィーバー”を沖縄記者が解説

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沖縄の地方局・琉球朝日放送は8月30日に、沖縄尚学の優勝を記念した緊急生特番を放送する。島の熱気はもうしばらく続きそうだ。

臨時便完売!海外経由で甲子園に行こうとする人も…!?

この「一緒に応援しよう」の心理で言うと、人が集まる大型の商業施設に行って応援するという行動パターンもある。

沖縄県最大級の商業施設「イオンモール沖縄ライカム」は、準決勝と決勝を大型ビジョンで放映するパブリックビューイングを行った。決勝戦では各フロアを人々が埋め尽くし、1000人超が詰めかけたとも言われる。その場にいた中山琉貴さん(39)は、仕事の都合もあってちょうど東京から里帰りしていた。「会場中が祈るような気持ちでいました。指笛と歓声の嵐の中、歴史的な瞬間を共有できてうれしいです」と振り返る。

沖縄尚学の優勝を伝える新聞が売り切れている様子
決勝戦翌日のコンビニでは、沖縄尚学の優勝を伝える新聞が売り切れ続出で入手困難に(筆者撮影)

また、これはすでに全国的にも有名な話になっているかもしれないが、沖縄尚学が決勝進出を決めたその日のうちに、JTAが関西―那覇間の臨時便4便を22日から24日にかけ追加した。沖縄は離島県であり、県外に行くための現実的な選択肢が飛行機しかない中で、臨時便は瞬く間に完売した。臨時便以外の関西方面の便のみならず、羽田や成田、中部、福岡などを結ぶ路線も、夏のハイシーズンで高運賃にもかかわらず軒並み満席状態で「とにかく甲子園と陸続きのところまで行くことができればどうにかなる」という執念が生んだ現象だった。ネット上には、沖縄から海外経由で関西に入るという人もいるとの話も浮上していた。突拍子もないように思えるが、これもかなり現実的な作戦に思える。飛行機で1か所経由するだけで関西に入れるのなら、東京や名古屋に入って陸移動するよりも楽だからだ。

ただ生活しているだけでも、このようにしてヒトやカネが動いているのが体感できるのが、甲子園決勝戦の8月23日だった。

沖縄尚学が優勝を決めた翌日8月24日付と、沖縄に凱旋した翌日同25日付の沖縄県紙・琉球新報と沖縄タイムス紙面。大見出しで大展開をしている(筆者撮影)

後編では、なぜ沖縄では甲子園が“県民的大行事”なのか、甲子園に参加できなかった沖縄の歴史を踏まえて解説する。

【後編を読む】沖縄尚学・悲願の夏優勝「参加したくてもできなかった‥」歴史と抱えてきた不平等。沖縄県民が甲子園に一丸となる「深い事情」

 

【写真を見る】本編では紹介しきれなかった画像も。「道路がガラガラ」「テレビをつけて応援する職場」甲子園決勝に大フィーバーする沖縄の様子 
長濱 良起 フリーランス記者

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ながはま よしき / Yoshiki Nagahama

フリーランス記者。得意ジャンルは音楽・経済。沖縄県出身・在住。
元琉球新報記者。フリー転向後も新聞や雑誌、書籍、ウェブ媒体などでの記事執筆を続け、これまでの取材執筆本数は約2000本。海外メディアの日本国内取材コーディネーターとしても活動。旅と音楽が好きで、訪問国数40ヵ国超。1986年生まれ。

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