甲子園優勝で沖縄の道路がガラガラに?「テレビをつけて応援する職場」に「イオンでの大熱狂」“一致団結の大フィーバー”を沖縄記者が解説

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県勢の甲子園決勝戦の時は、急ぎの仕事ではない限り、職場ではテレビをつけて応援しても問題ない空気感があるし、役所・役場の窓口職員もロビーのテレビを住民と一緒になって囲んでいることだってある。

もしもあなたが上司で「甲子園なんか見ないで仕事をしなさい」と言おうものなら「空気も読めなければ融通も利かない人」として評価される恐れが大いにある。例えるならば「サッカーW杯決勝でブラジル代表を応援するブラジル人に『テレビを見るな』と言う」ことぐらい、間抜けなことなのだ。

もちろん、沖縄県民が全員、甲子園に熱狂的かと言えばこの通りではないし、興味が薄いという人も一定層いる。しかし、試合のあるこのたった数時間は、たとえ初対面同士であろうと年代や立場を超えて「沖縄県民として一致団結する」という、意味のある大切な時間なのだ。

「のうれんプラザ」の野球観戦の様子
昔ながらの農連市場を前身とした「のうれんプラザ」でもみんなでテレビ観戦(長嶺真輝撮影)

冒頭、甲子園の応援と団結について、BEGINの歌詞を引用しながら述べた。BEGINのメンバーの出身地は石垣島。那覇市からだと直線距離で約400kmであり、これは東京―大阪の距離と同等だ。なおかつ海まで挟んでいるため、同じ県にありながら行き来はそれほど簡単ではない。だけど同じ沖縄県民として共通点を持って熱狂できるものの一つが、甲子園の応援でもある。

石垣島の八重山商工高校が2006年に春夏連続で甲子園出場を果たした際には、沖縄本島の人々もまるで、近所の子どもたちを応援するかのように拳を握った。

街から人が消えた…主要道路はガラガラ

なので、決勝戦当日は街の様子も全然違う。

土曜日のお昼前なのにもかかわらず、沖縄本島の主要道路である国道58号がガラガラになっている様子の写真がSNSに上がっていた。みんなどこかで試合中継を観ているからだ。車社会で慢性的な渋滞が時に問題になる那覇一帯で、これはなかなかの衝撃である。逆に、試合前は道が混んでいたという。家族友人で一緒に観ようと移動したり、そのための買い出しに行ったりしていたのであろう。

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