パート主婦が消える? パート労働者への社会保険適用拡大の是非

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適用拡大が必要な理由 連合は一歩前進と評価

適用拡大は企業や医療保険の負担増をもたらし、働く個人にとっても、働き方などによって影響は一様ではない。そもそもなぜ適用拡大が必要なのだろうか。

民主党が示した「適用拡大の考え方」によると、理由は二つある。一つは格差拡大の是正。もう一つが、働き方に中立的な制度の構築だ。企業と雇用契約を結ぶ、同じ被用者でありながら、正社員と比べて週の労働時間が少ないというだけで、被用者保険が適用されず、セーフティネットに格差が生じてしまっている。

また、主婦パート(年金の第3号被保険者)のように、正社員の被扶養者の地位にとどまることで、保険料の負担なしに社会保険のメリットを享受できるため、働かないほうが有利な壁ができてしまっている。今後の人口減少社会に備えるためには、こうした壁を極力取り払い、女性の就業意欲を促したほうがよい──。そういう政策判断が背景にある。

パート労働者への適用拡大に賛成の立場である連合の花井圭子総合政策局長は、法案は「不十分」と指摘しながらも、「一歩前進。早く適用拡大を」と評価する。

だが、そもそも適用拡大は格差縮小につながるのだろうか。東京ユニオンの関口達矢副執行委員長は、「年金給付が数万円増えるといっても、絶対額が少なく、この金額では生活できない。正規と非正規の賃金格差が大きいままで、適用拡大されてよかったと思える人がどれだけいるか」と疑問を投げかける。 

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