【ハッピーセット】「ワンピースカードの見送りは正解」「三度目は許されない」マクドナルドがとるべき《転売ヤーを駆逐する“究極の一手”》

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今回の問題では、マクドナルド自身も対応策を表明しているし、多くの有識者も提言を行っている。

1. 販売制限を強化する(販売対象を限定する、1人・1グループあたりの購入個数をさらに減らすなど)
2. 転売防止策を強化する
3. 景品の価値を下げる(供給量を増やす、景品の魅力を下げるなど)
4. 転売や買い占めを控えるように呼びかけ・啓発を行う

上記のすべての面で対策を講じないと、同じことが起こる可能性はありうるだろう。

ポケモン
店外に掲示された、ハッピーセットでもらえる「ポケモン」のおもちゃたち(筆者撮影)

では「究極の対策」は?

筆者として最も重要となるのは、3であると考える。ただし、先述のように、需要が読めない以上、供給量を調整することは難しい。とすると、残るのは「景品の魅力を下げる」という選択である。

マクドナルドの本業は飲食業であり、そこの原点に立ち戻るべきだ――というのが筆者の主張の前提としてある。

ハッピーセットは既存商品のセットメニューに、景品、つまり「おまけ」を付けたものであるから、「(おまけも合わせて)1つの商品である」「おまけの魅力は商品の魅力の一部である」ということは筆者も十分に理解している。

しかしながら、食品廃棄が生じたり、(商品が対象とする)子どもが買えないという本末転倒の事態が生じたりしていることを考えると、販売制限や転売対策以上に、商品としての価値の再定義が必要になっているように思えてならない。

近年のマクドナルドは業績も好調だ。2014~2015年に相次いで発覚した異物混入事件を乗り越えたのみならず、メニューや店舗の改善に成功している。その後の原材料高の影響も、値上げに見合った価値の提供を行うことで乗り切っている。

現在のマクドナルドであれば、ハッピーセットに関してはいったんブレーキをかけて十分な対策を講じることはできるはずだし、またそうすべきであると思う。

西山 守 マーケティングコンサルタント、桜美林大学ビジネスマネジメント学群准教授

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にしやま まもる / Mamoru Nishiyama

1971年、鳥取県生まれ。大手広告会社に19年勤務。その後、マーケティングコンサルタントとして独立。2021年4月より桜美林大学ビジネスマネジメント学群准教授に就任。「東洋経済オンラインアワード2023」ニューウェーブ賞受賞。テレビ出演、メディア取材多数。著書に単著『話題を生み出す「しくみ」のつくり方』(宣伝会議)、共著『炎上に負けないクチコミ活用マーケティング』(彩流社)などがある。

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