政治的には実現しないかもしれないが、「論理的に実現可能で、今の日本にとって望ましい経済政策」を緊急提言する 

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インフレはバブル的な雰囲気が強まり、余計な?ぜいたく品需要が高まることで景気が過熱したときに起こるものとなった。だから、インフレもインフレ期待も需要の強さが反映するし、金融政策も人々の期待も、需要がどうなるか、バブル的になるか、つまり、日常用語の、「最近おたく景気いい?」という意味での「景気」(バブル)に連動していたのである。

「日本が世界の主役になるチャンス」を自ら捨てるな

こういう時代は世界的に(欧米などの成熟経済では)終わった。これからは、インフレはすべてコストプッシュ、必需品の入手困難度合いによって決まってくる。だから、インフレは景気変動ではなく、構造的なものとなり、日常的に存在するものとなったのだ。

だから、この新しい認識のもとに、物価や金融政策だけでなく、すべての政策を転換する必要がある。

需要喚起ではなく、生産力確保。消費喚起ではなく、人々は消費者ではなく労働者として自ら人的投資に仕向けること。通貨安で輸出需要を確保するよりも、必需品を安く手に入れるための購買力のための強い通貨。ぜいたく品のバブル的な消費にあふれる大都会ではなく、必需品を環境良く効率的に作れる、妥当な規模と人口構成のバランスの取れた地方都市。

もちろん消費刺激のための減税ではなく、生産力確保、増強のための財政支出。教育投資。目新しい嗜好品を発明するイノベーションではなく、必需品を改良し、効率化生産する、日本がこれまで得意としてきた生産「カイゼン」。つまり、ようやく日本が世界の主役、トップになることができる経済社会構造になったときに、その得意なモデルが、やや古めかしく見えるというだけで捨てようとする政府、メディア、有識者たち。ああなんという皮肉。

今回も結局、長くなってしまったので、次回に続きを(本編はここで終了です。この後は競馬好きの筆者が週末のレースを予想するコーナーです。あらかじめご了承ください)。

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