
給与以外にも安定した収入源がほしいと思うことはないだろうか。そうした個人投資家の受け皿として、比較的少額で優良な不動産物件に間接的に投資でき、利回りも大きいREITへ投資というのがひとつ考えられるだろう。
不動産価格の上昇や金利の上昇で、リアルな不動産への投資が難しくなる中、現実的な投資先として考えることができる。一時期は低迷していたREIT価格も、足もとでは持ち直しの傾向を見せているのも大きい。REITへの投資を判断するには、利回りの高さとともに、どのような物件を保有していて、その評価額はどの程度なのを精査することも重要だ。
そこで、東洋経済では有価証券報告書の開示をもとにして、独自に全上場REITの保有物件の保有価値を収集した。決算期の違いにあわせて2024年9月期~2025年2月期の有価証券報告書から収集した。有価証券報告書の開示をもとに、評価額の高い順に上位200位までをランキングした。
都心好立地のオフィス物件が上位に
ランキング上位には、予想どおり、都内の一等地に立地し、顔となるような大規模な物件が並んだ。また、トップ10の物件はいずれも事務所が主体のオフィス物件が占めた。4位までが不動産の評価額で1000億円以上の価値になった。
1位は三井不動産系の日本ビルファンド投資法人が保有している「新宿三井ビルディング」だった。2020年に三井不動産から取得した物件で、1974年の竣工当時は日本一の高さを誇ったビルだ。主にオフィスビルとして使われているが、ビル内にはレストランやショップも入っている。
2位には、森ヒルズリート投資法人が保有している「六本木ヒルズ森タワー」がランクイン。言わずと知れた森ビルの顔となるビルだ。森ヒルズリートの持ち分に相当する分だけで、鑑定評価額は1590億円相当になる。
4位には、三菱地所系のジャパンリアルエステイト投資法人が保有する、「汐留ビルディング」が入った。投資法人ではこのビルのうち55%分を保有しているが、その価値は1200億円に上り、やはり事務所や店舗などの用途に利用されている。
今回は全REITの物件価値の高い順に紹介した。別ランキングでは、各REITが保有している物件の中で、評価額の高い5物件ずつまとめたランキングも用意した。こちらも参照すると、より多面的な分析が可能になるだろう。
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