キー局社員→独立し「おひとりプロデューサー」に転身!原案担当の漫画「おひとりさまホテル」も人気に。"何者でもない30歳"から掴んだ新たな人生

テレビ局社員とメディア発信の二刀流
ーー運営するメディア「おひとりさま。」では、ホテルや旅をはじめとするひとり時間を楽しむ様子が綴られています。当時の活動は、会社員の仕事と両立していたのですか。
そうですね。新卒で入社した頃はまだ時間に余裕があったので、自分のためにプラスで何かをしたいと思っていました。当時から「ひとり時間」や「おひとりさま」というワードはメディアなどで世の中に出ていたのですが、私はもともとそういう時間が好き。人と過ごす時間とは別に大切にしていたので、そのことを表現したり、発信してみようと考えたのが最初です。
ーーそれをいずれ仕事にしようという意識はあったのですか。
そんな構想はまったくなくて(笑)。当時はひとりでカフェやランチに行くくらいだったのですが、ひとり時間の過ごし方のバリエーションを模索したいと思っていたタイミングでした。最初は自分のためでしたが、きっと自分以外にもそういう情報が欲しい人がいるはずだから、そのニーズに応えようと思ってメディアを立ち上げました。

ーーさまざまなひとり時間の過ごし方を発信するうちに、次第にフォロワーが増えて、企業からのPR案件も舞い込むようになります。
やはりそういう時間を求めている人は多くて、共感していただける人がどんどん増えている実感が大きかったです。もともと自分のための情報なので、女性をターゲットにしたメディアだったのですが、男性のフォロワーも多くなって、お子さんがいる親御さんにもフォローしていただいたり、性別や属性関係なくひとり時間のニーズがあることがわかりました。
ーー営業的な発信をしたくないことから、企業案件は断っていたそうですね。
もともとこれで生計を立てようとか、案件をいただくことを目標にしていたわけではなく、ひとり時間のいろいろな過ごし方を提案することがゴールだったので。ただ、そこにハマる案件なら受けましたし、取捨選択をしながら、自分からこういうふうにしたいと提案していきました。
当時はまだひとり時間に向けたサービスのニーズを企業側にあまり理解されていなかったので、PRやプロモーションによる需要の掘り起こしを提案して事業化していく仕事が多かったと思います。
勝ち組人生からの離脱に躊躇はなかった
ーーテレビ局の仕事と個人のメディア発信を両立されてきたなか、2023年9月に退職して独立します。生業として成立するめどが立ったのでしょうか。
会社員の仕事は楽しかったですし、不満はまったくなかったのですが、おひとりプロデューサーとして事業を大きくしたいと考えたときに、両立には限界がありました。それに、退路を断って自分を追い込むことで、もっとできることが広がるとも思って。やりたいことのストックはたくさんあったので、いま会社を出て専念したほうが自分にとってプラスになるのではないかと思って独立しました。
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