ニセコを買う外国人投資家の今――税金滞納、違法開発…北海道の超有名リゾート地で今、起きていること《現地ルポ》

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倶知安町は2022年に「倶知安の未来へつなぐ景観まちづくり条例」を制定して、景観保護に取り組んでいる。しかし、6月には羊蹄山の南山麓の山林を許可無く伐採し、建築確認申請もせずに建物を建てたことなどが発覚した。報道では、中国系の企業の事業とされる。

こうした事業者に北海道は、申請がなかった建物に対しても安全性を確認して追認するなど、対応が甘いという指摘も出た。結局、道は6月、事業者に開発行為の中止要請をすることになった。

鈴木直道知事は6月の道議会で、「今回の事案を踏まえ、海外の投資家が国内法や条例などを遵守するよう、国に対し、申し入れを行った」と答弁した。

適正な開発を担保する対策を

法令を守らない企業はもってのほかだが、無秩序な開発が進めば景観は台無しになる。外国人から高い評価を受けたことで、ニセコは国際リゾートとして発展した。外国人の視点を入れることでさらなる発展も期待できることだろう。

一方で、連絡もつかない投資家が増えることは、国際的な所有者不明土地問題を生むことにつながる。外資を意識した適正な開発を担保する対策が必要ではないか。

破産した東京の会社が建設していたホテル(写真:筆者撮影)
リゾートホテルを開発していた会社が公開していた完成イメージ図(インスタグラムより)
松浦 新 朝日新聞記者

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まつうら しん / Shin Matsuura

1962年愛知県生まれ。東北大学卒業後、NHKに入局。1989年朝日新聞入社。東京本社経済部、週刊朝日編集部、特別報道部、経済部などを経て、2017年4月からさいたま総局。共著に『ルポ 税金地獄』『ルポ 老人地獄』(ともに文春新書)、『電気料金はなぜ上がるのか』(岩波新書)、『プロメテウスの罠』(学研パブリッシング)ほか。

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