「SNSのせいかよ」「世間を甘く見すぎ」批判殺到の《広陵高校》と《マクドナルド》、今夏の大炎上に見られる“共通点”

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マクドナルドと広陵高校、いずれも従来の対応に沿って進んだと予想します。

キャンペーンもトラブルも、多くの組織では対応マニュアルや手順が決まっており、その通りにきちんと進めることは管理者・責任者の役割です。ただ、その手順は本当に今現在の環境に適合しているでしょうか。

SNSやインターネットでは、個人や匿名での告発が一般的になってきています。転売ヤーの悪行がブランドイメージまでも毀損することを想定していたでしょうか? 

また、身内ではない外部からの批判を無視して大会へ出場することは可能なのかどうか、リスク評定の精度においてアップデートできていたのか?

両者ともに大きな課題があると思います。

身内だけで事態が完結することはもはやない

SNSのすべてが真実ということではありません。しかし、真偽はともあれ騒ぎが大きくなり、批判だけでなく脅迫や混乱が起き、店頭でのトラブルが発生するなど、現実のリスクがあります。

正しいかどうかではなく、想定して対策しておくべきリスクとして、準備しておかなければならない要素だと思っています。

批判する人との完全な合意形成は不可能ですが、少なくとも単なる言いがかりだとはいえない、現実的な問題点の指摘については、納得感のある対応策を打っておくべきだったでしょう。

ここまで大きくなったトラブルにおいて、社内や学校内、関係者といった、身内だけで事態が完結することはもはやありません。身内に向けた謝罪ととられれば、せっかく釈明しても効果がありません。

とはいえ、SNSやネット世論との合意を得ることはとてつもない高いハードルです。ですが、十分想定できる「ツッコミ」への説明が準備できていないことは、問題だと感じています。

増沢 隆太 東北大学特任教授/危機管理コミュニケーション専門家

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ますざわ りゅうた / Ryuta Masuzawa

東北大学特任教授、人事コンサルタント、産業カウンセラー。コミュニケーションの専門家として企業研修や大学講義を行う中、危機管理コミュニケーションの一環で解説した「謝罪」が注目され、「謝罪のプロ」として数々のメディアから取材を受ける。コミュニケーションとキャリアデザインのWメジャーが専門。ハラスメント対策、就活、再就職支援など、あらゆる人事課題で、上場企業、巨大官庁から個店サービス業まで担当。理系学生キャリア指導の第一人者として、理系マイナビ他Webコンテンツも多数執筆する。著書に『謝罪の作法』(ディスカヴァー携書)、『戦略思考で鍛える「コミュ力」』(祥伝社新書)など。

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