「外国人転売ヤーだけが得をした」「買えない子どもが泣いてた」などの声も…。マクドナルド「転売対策せず批判殺到」の深い学び

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③地域社会に対する責任を果たさなかった

さらに今回は③地域社会に対する責任も言及があった。企業は一般的に、取引と雇用によって地域社会に貢献する。取引では、その地域の製品・サービス・役務を調達することで経済を活性化する。

しかし今回、テナントというサプライヤーに対して迷惑がかかり、場合によってはゴミ処理費用の負担や時間が生じた。企業の事業活動が負の影響を及ぼさないように、事業活動の影響を想像する必要があっただろう。

論調も「転売批判」から「マクドナルド批判」へ変化

さらに私が注目したいのは、SNSだけではなくメディアも含めた世論の変化だ。当初では転売ヤーを批判する声が多かった。しかし、そこから急速にマクドナルド側の対応を疑問視する声が多くなった。8月9日にも同社は声明文を発表したが、具体的な改善の施策が書かれていなかったのだ。

さらに、過去に同様のトラブルがあったことも顧客に思い出させた。2025年5月の「ちいかわ」ハッピーセット問題だ。このときも顧客が殺到し、さらに転売が話題になっていた。この教訓が生かされていないとする意見があった。

さらに同時期に任天堂はスイッチ2の販売にあたって、転売業者が入らないように、元からの有料会員を販売の中心ターゲットとした。転売ヤーはゼロではないが少なかった。多くのひとは、両社の対照的な対応を思い出し、マクドナルドの対策の不備を表明するようになった。

このように、転売ヤーへの批判が、いつのまにかマクドナルドへの批判という形になってあらわれた。

事前の対策が真剣じゃないように感じた顧客もいたようだし、また、フードロスを喧伝しながら利益を優先していると感じた顧客もいたようだ。企業内部の意思決定に踏み込んで批判する声もあった。

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