〈インタビュー〉ワシントン条約にニホンウナギの掲載提案!それでも「鰻の成瀬」山本社長が「現時点で過剰な不安はない」と言い切れる理由とは?
――ウナギ属がワシントン条約に掲載された場合、調達にどのような影響があるでしょうか。中国が輸出許可書を発行しないなどのリスクも考えられます。
書類上の手間が増え、より手続きに時間がかかることになれば、当然その分のコストは乗っかってくるだろう。一方、中国との話をすれば、売りたい中国と買いたい日本という関係性が成り立っている。中国もワシントン条約への掲載には反対の立場なので、現時点で過剰な心配はしていない。

うちだけが仕入れられないとか、コストが上がる事態になったら困るが、状況はほかのウナギ屋にとっても同じだ。しかも、「鰻の成瀬」では冷凍の加工品を輸入していて賞味期限は長い。仕入れが一定程度遅れたとしても、大きな影響はないとみている。
仮に海外からまったくウナギが入ってこなくなったら、例えば「穴子の成瀬」や「マグロの成瀬」にするとか、戦う術はあると思っている。
完全養殖への出資も視野
――穴子やマグロでもいいのですね。
どう商売として生き残るかが優先で、今は勝ちやすかったからこの業態を選択しているだけだ。ウナギ屋さんをやりたくてやっている老舗店の方々とは、ウナギに対する愛情が若干異なる。
一方で、日本のウナギ文化を絶やさないための活動はしていきたい。ワシントン条約へ掲載されないよう、政府へ上申書を出してほしいとか、絶対に負けないでほしいとか、いろんなところからお声がけをいただく。まだ決まったことは何もないが、完全養殖への出資も視野に入れている。調達リスクの分散という意図もあるが、社会的な意味合いが強い。
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