「いすゞのトラック」のアウトドア仕様に注力する深いワケとは? 普通免許で乗れる「エルフ ミオ」が握るカギ

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筆者は近年、同工場の目の前にあるミュージアム「いすゞPLAZA」や、隣接する宿泊施設「PLAZA annex」を利用することがある。

今回は、日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ)向けの事業説明会と、藤沢工場視察が目的だ。

いすゞ藤沢工場に今回、特別に屋外展示された各種トラック(筆者撮影)

いすゞ藤沢工場に今回、特別に屋外展示された各種トラック(筆者撮影)

説明会では、専務執行役員・カーボンニュートラル戦略部門EVPの大平隆氏、常務執行役員・国内営業部門EVPの能登秀一氏、常務執行役員・開発部門EVPの上田謙氏、そして常務執行役員・SVP渉外担当役員・開発部門VPの佐藤浩至氏など、いすゞの開発部門幹部らが登壇し、事業の実状と将来の方向性について詳しく説明してくれた。

いすゞの専務執行役員/カーボンニュートラル戦略部門EVPの大平隆氏。エルフ EVトラックの技術展示車両と(筆者撮影)

いすゞの専務執行役員/カーボンニュートラル戦略部門EVPの大平隆氏。エルフ EVトラックの技術展示車両と(筆者撮影)

まず、いすゞの事業概要を確認しておこう。2024年度の売上高は3.2兆円、営業利益は2291億円で、生産拠点は30カ国、42カ所。サービス拠点は国内416、海外は3500カ所におよぶ。

連結販売台数はグローバルで約52万台、そのうち国内が約8万台だ。

売上高を事業分野別で見ると、CV(コマーシャルビークル=商用車)が約50%、ピックアップトラックなどのLCV(ライトコマーシャルビークル=小型商用車)が約23%、アフターセールスが約18%、そして産業用エンジンが約9%だという。

CVは、大型バスの「エルガ」、大型トラックの「ギガ」「クオン(UDトラックス)」、中型トラックの「フォワード」、そして小型トラックでは「エルフ」と「エルフ ミオ」で構成されている。

今年7月、エルフ ミオに総重量3.5トン未満のキャブオーバートラックで唯一という4WDが追加された(写真:いすゞ自動車)
今年7月、エルフ ミオに総重量3.5トン未満のキャブオーバートラックで唯一という4WDが追加された(写真:いすゞ自動車)

「3.5t未満車のみ」となった普通免許

話をエルフ ミオを使ったコンセプトモデル登場に戻し、その背景を考察してみたい。

直接的な要因は、現行の運転免許制度を意識したエルフ ミオの販売促進だ。以前は、普通免許の条件等が「中型車は中型車(8t)に限る」だったが、現行では「車両総重量が3.5t未満車のみ」に改定されている。

「3.5t以上、8t未満」では、5t限定 準中型免許、準中型免許、そして8t限定 中型免許など細かく規制されている。

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