「女子大が次々消える“なぜ”」『女性の品格』著者が指摘する、今だからこそ“女子大が必要とされる”理由
在校生が卒業するまで「実質的に女子大学として学べる環境を維持するよう、最大限配慮する」と理解を求めた。
女子大が共学化、募集停止が相次ぐ
女子大を取り巻く環境は急速に変化している。
名古屋葵大や神戸松陰大が今春から共学化し、学習院女子大は2026年度に学習院大と統合予定だ。
関西の「女子大御三家」の一つとされる京都ノートルダム女子大も、2026年度以降の募集を停止する。
こうした中、京都女子大は「女子大学宣言」をホームページで公表。「女子大学という環境だからこそ、性差にとらわれることなく、自立した“人”として成長することを可能にする」と強調し、「女子大学として社会の変革に挑戦する“人”を育成し続けることをここに宣言する」と表明した。

女子大の数が急激に減っている今、なぜ女子大は必要なのか──。
坂東さんに訪ねると「男女が完全に平等な社会になったらなくなっていい。それまでは必要です」と返ってきた。
続けて「女性には、まだまだ乗り越えていかなければならない壁があります。残念ながら簡単にはなくなりそうにありません」と語った。
坂東さんは、内閣府男女共同参画局の初代局長を経て、昭和女子大の理事に就任。以降、女子大の改革を進め、入学志願者数を4倍に伸ばした実績を持つ。ベストセラー『女性の品格』(PHP新書)の著者としても広く知られている。
坂東さんが挙げる女子大の存在意義の一つは、「アンコンシャスバイアスによって、女性が自信を失ってしまうことを防ぐため」だ。
アンコンシャスバイアスとは、「女性は感性的だから非論理的」など、無意識の偏見や思い込みから偏ったモノの見方をしてしまうことを指す。