
話が通じない相手に共通する「決定的に残念な点」(写真:polkadot/PIXTA)
「もし、ライオンが人間の言葉を話せたとして、彼らの言っていることを人間はまったく理解できないだろう」
こんな印象的な言葉の引用で始まる『全人類の教養大全』は、韓国でシリーズ計300万部もの大ヒットを博した書籍の日本語翻訳版だ。
現実を見れば、ライオンはおろか私たち人間同士で、「何を言っているのかさっぱりわからない」ということは起こっている。同じ単語を使っているのに、別々の意味で言っているせいで議論が明後日の方向に行ったり、無用ないさかいが起こったりすることもしばしばだ。
こうしたコミュニケーション断絶を解消するには、共通言語としての教養が必要――『全人類の教養大全』は、そんな問題意識の下、まとめられた。
歴史、経済、政治から哲学、宗教、芸術まで、まさに人類の教養を網羅している本書の読みどころとは。起業家のけんすう氏に聞いた。
「話が通じない」は、なぜ起こるのか?
少し前の話ですが、官房長官が「自衛隊は“暴力装置”」と述べたことに対して、「自衛隊員に対して失礼だ」といった非難が集まったことがありました(2010年11月の仙谷官房長官の発言を受けて。「暴力装置」という言葉が自衛隊を違憲とする立場から使用されてきた経緯もあり非難を浴びた)。
ここで自衛隊のあり方を問うことはしません。そのときに私が一番気になったのは、「暴力装置」の本来の概念を知らずに非難している人が多いように見受けられたことです。
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